ワグネル武装反乱、リスク露呈しロシア向け輸出を緊急停止する中国企業も―海外メディア

Record China    2023年6月30日(金) 11時0分

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ワグネルの武装反乱は中国でロシアとの深い関係がリスクになっていることを露呈。海外メディアは「企業経営者はロシア向け商品の出荷を停止するよう工場に電話をかけ始めた」と報じた。写真はモスクワ。

ロシアの民間軍事会社ワグネルグループの武装反乱は短期間で収束したものの、中国ではロシアとの深い関係がリスクになっていることが露呈した。ロイター通信は「反乱のニュースが流れると、中国南部の企業経営者はロシア向け商品の出荷を停止するよう工場に慌てて電話をかけ始めた」と報じた。

ワグネルグループ創設者のプリゴジン氏が起こした反乱について、ウクライナ侵攻直前、ロシアと「制限なし」のパートナーシップを結んでいる中国は事態を大ごとにしないようするため、プーチン政権への支持をいち早く表明した。

中国との関係を重視するプーチン政権は直ちにルデンコ外務次官を北京に派遣。秦剛国務委員兼外相に一連の騒動を説明した。

共産党機関紙の人民日報は6月25日付3面に「反乱組織がロシアの背に刀を刺した」というプーチン大統領のビデオ演説を短く報道。新聞が配達された時点ですでにワグネルグループの反乱は終息した後だった。

人民日報は翌26日付3面に今回の事態は「ロシア内政であり、友好的な隣人であり新時代全面戦略的協力パートナーとして中国はロシアが国家安全を守護し発展と繁栄を実現することを支持する」という前日夜の外交部報道官の発表文を掲載。プリゴジン氏がベラルーシの提案を受け入れモスクワ進軍を中止して、刑事起訴が取り消されたことも伝えた。

しかし、中国国内の反応は少し異なっていたようで、ロイター通信によると、福建省にある企業向け貿易団体の代表者、シェン・ムーフイ氏はロシアに自動車部品、機械、衣料品を輸出している加盟企業間に混乱が広がったと証言。危機は和らいだが、「これから何が起こるか分からないので様子見している人もいる」という。出荷を停止した企業名は挙げなかった。

一部アナリストは「中国がロシアとの政治・経済的関係を弱める必要があるのではないかと思い始めているのでは」と指摘。シンガポールを拠点とする安全保障アナリストのアレクサンダー・ニール氏は「この『制限なし』の関係にはハエがたかっている」と表現した。

国営紙の評論員らは反乱を抑えたロシアのプーチン大統領の迅速な対応を称賛したが、批判的な言論が厳しく統制されている中国国内でもロシア寄りの中国政府の姿勢に疑問を呈する声が出始めている。

上海を拠点とする国際関係問題専門家、沈丁立氏は「(中国は)ロシアに関する言動により慎重になるだろう」と述べた。米政府高官は反乱が中国指導部を動揺させたとの認識を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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