中国・河北省石家荘市の観光地で、水鳥のガンを蹴って死なせる事件があった。中国メディアの新民周刊などが伝えた。

このガンは「大宝」といい、SNSで数万人のフォロワーを持つ人気者。珍しい模様があり、「大宝」に会うために現地を訪れる人もいるほどだった。

22日、「大宝」のアカウントを管理する男性が現場で撮影した動画をSNSに投稿した。動画には首を体に預けてぐったりした「大宝」が映っている。観光客とみられる女性は「そいつがうちの子を脅かした。脅威を与えたのよ」と話すと、撮影者の男性は「（「大宝」は）脅かしてなんかいない」「なぜ蹴ったんだ？」と反論。すると、観光客の男性が「子どもを脅かしたからだろう！」と声を荒らげた。

撮影者の男性によると、「大宝」は頚椎を骨折し、その後死亡した。投稿にはレントゲン写真の画像も添付されている。また、事件の経緯について「夜で薄暗かったので、大宝はおそらく観光客の近くに突っ込んでしまったのだろう。攻撃はしていないが、その後、蹴られた」と説明。蹴られた「大宝」が2メートルほど飛ばされその後動かなくなったこと、「大宝」がそれ以上攻撃されないように蹴った観光客に対して自身が手を挙げたため派出所に連行されたことなどを報告している。

男性は、「大宝」が発情期だったため観光客を遠ざけようとする行為はあったかもしれず、子どもを守る気持ちは分かるとしながらも、あまりにひどい暴力だと主張。そして、「大宝、どうか安らかに。天国で幸せに。すべて私の過ちだ。君を守れなかった。深夜にもかかわらず大宝を救うために動いてくれた皆さんありがとうございます。観光地のさまざまな支援もありがとうございます。みんな力を尽くした。私は君のそばにいられなかった。今、派出所から出てきたばかりなんだ」とつづった。

ネットユーザーからは観光客に対し、「とんでもない一家だ」「拘留か賠償を科すべき」「『教育』だけで終わらせないでほしい。そうなればこういう連中を助長させるだけだ」「子どもの目の前でよくそんなことができるな」「『子どもを驚かせた』ら殺してもいいのか？」「そんなに甘やかすなら、今後子どもを外に連れて出かけるな。この親子はすべての観光地を出禁にすべき」「もし動物園のトラが子どもを脅かしたら、柵に入ってトラを蹴るんだろうな？」といった批判の声が殺到している。

なお、観光地の担当者は動画を警察に提出しており、捜査が行われると見られる。（翻訳・編集/北田）