【新青年】「根っからの農民」譚葑姣さんの農村暮らし

人民網日本語版    2023年6月24日(土) 23時0分

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湖南省長沙市の茶亭鎮には5月になると、一面の緑に覆われた美しい自然が広がる。写真は「某譚小院」のオーナー譚葑姣さん(撮影・袁蒙)。

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湖南省長沙市の茶亭鎮には5月になると、一面の緑に覆われた美しい自然が広がる。茶亭鎮にある民宿レストラン「某譚小院」の前には菜の花畑が広がり、野の花や池、柚子の木などがあり、そうしたのどかな景色に完全に融け込んでいる。「某譚小院」では宿泊できるだけでなく、食事やお茶を楽しむこともでき、そこに広がる詩的な雰囲気には、オーナーの譚葑姣さんの「人生観」が反映されている。人民網が伝えた。

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90年代生まれの「根っからの農民」

茶亭鎮に生まれ育った譚さんは、都会の学校を卒業した後、故郷に戻って起業した90後(1990年代生まれ)。「私は根っからの農民」と話す彼女は、「生まれも育ちも農村で、都会の学校に通い、また農村に戻ってきた。最初は農産物をオンラインで販売し、その後、古い農家をリノベーションして民宿レストランを始めた。今はドアを開ければ営業開始、ドアを閉めたら自分の時間というシンプルな暮らしをしている」と話す。

のどかなムード漂う「某譚小院」で、譚さんはネコ2匹と、イヌ1匹を飼っている。そして、菜園の手入れをしたり、魚にエサをあげたり、草むしりをしたり、家の修繕をしたりするほか、お茶や料理を出して、客をもてなしたりする毎日を送っている。また、写真などをしばしば撮影してはセルフメディアにアップし、美しい景色や自分の暮らしを記録するという、とても充実した暮らしをしている。

故郷に戻って起業した譚さんがリノベーションして作った「某譚小院」(撮影・袁蒙)

「型にはまった人生は嫌」

譚さんは警察学校を卒業した後、故郷に戻って農民になった。そのあまりにも「畑違い」な選択に、多くの人が戸惑い、特に父親が反対したという。「父は初めは反対していた。自分たちも農民で、農民はとても大変な仕事だと知っているから。特に私は女性だし、父は警察学校を卒業した後は公務員試験を受けるべきだと考えていた。でも私の人生の『型』を卒業した学校で決めたくはなかった。いろんなことにチャレンジしたい。人生とは体験の場だから」と譚さん。

そこで譚さんは、「何のためにお金をもうけるの?」と父親に聞き、「もっといい生活を送るため」という返事が返ってきたため、「お父さんたちはすでに私たちに物質的な豊かさをくれた。今の私たちは食べる物にも、着る物にも困らない。だけど私たちはさらに上のもの、自分の心を満たせるものが欲しい。私は農村が大好きで、農村に戻って自分の好きな仕事をすれば、この仕事が私を幸せにしてくれると思っている。お金もある程度は稼げるし、基本的な生活は満たしてくれるので、それで十分だと思う」と説得したという。そして、「その後は少しずつ受け入れてくれた。今は店もうまくいき始めているので、父親も喜んでくれている。90後の農民は自分たちとは違い、毎日畑作業ばかりをしているわけではないと父も理解し、応援してくれるようになった」という。

若者に起業の場を提供するため、農村振興に力

産業振興に焦点を合わせて、茶亭鎮は鎮内の特色ある農業資源を発掘すると同時に、使用されなくなっていた家屋を転用し、そうした家屋をリノベーションして、農村レストランにする取り組みもしている。こうした取り組みを通じて農村全体の経済を盛り上げ、現地の人々が庭などを活用した経済を発展させるようリードしている。とりわけ恵まれた優位性や開放・イノベーションの政策を活用している茶亭鎮には、多くの人が故郷に戻って起業しており、譚さんもその一人だ。

2015年に警察学校を卒業した譚さんはまず、インターネットを活用し、セルフメディアを通じて農産物の販売をスタート。2020年には古い民家をリノベーションして「某譚小院」の経営を始め、オフライン事業を拡大させた。現地の農村振興の成果を実感している譚さんは、「ここ数年、農村は大きく変化した。インフラ整備が進み、特色ある産業が打ち出されている。私の生まれ故郷である茶亭鎮は毎年、菜の花が満開になる季節に『花畑アートフェスティバル』を開催している。こうした文化や観光の取り組みにより、私たちのような故郷に戻って起業している若者にビジネスチャンスが提供されている。農産物の販売にしても、飲食店や民宿、コーヒーショップなどを経営するにしても、利用する客が確保されている」とし、「農村が振興し、インフラが整備されているから、私たちは勇気を出して、このような山奥の村で民宿レストランを経営することができている」と話す。

民宿レストランの「日常」を記録するほか、茶亭鎮の文化・観光資源を宣伝している譚さんのセルフメディアアカウント(写真提供・譚葑姣)

若者は都会に行くべき?それとも農村?

都会の学校に通った後、農村に戻った譚さんは、「都会はとてもにぎやかだが、農村のにぎやかさは一時的なもので、普段はいつもとても静か。若者は自分で自分の限界を決めてはいけないと思う。にぎやかさが好きなら都会に行けばいいし、時々にぎやかで普段はいつも静かな所が好きなら農村に来ればいいと思う。今は農村も交通の便に優れ、いろんな面でも環境が整いつつある。若者は農村でもいろんな可能性を発見したり、それに出会ったりすることができる。だから私は、いろんなことにチャレンジして、本当に好きな場所に行き、自然にたくさん触れていろんなことを感じてみたら、自分が本当に何をしたいのか、どんなふうに働き、どんな暮らしをしたいのか、そして自分の望むこうした幸せをどうやって探すべきかわかると思う」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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