私が体験した日本の半導体産業発展の啓示と教訓―中国専門家

Record China    2023年6月21日(水) 6時0分

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19日、環球時報は「日本の半導体産業の発展を体験しての啓示と教訓」と題した、中国社会科学院栄誉学部委員・日本研究所研究員の馮昭奎氏による文章を掲載した。

2023年6月19日、中国紙・環球時報は「日本の半導体産業の発展を体験しての啓示と教訓」と題した、中国社会科学院栄誉学部委員・日本研究所研究員の馮昭奎(フォン・ジャオグイ)氏による文章を掲載した。

馮氏は文章の中で、日本の半導体世界シェアが米国を追い抜こうとしていた1984年に東京、九州などの半導体製造拠点や中小企業を視察した際に感じたことをつづっている。

まず、「集積回路(IC)工場には優秀な技術チームが欠かせない」ことを感じたとした。馮氏は、半導体生産で最も重要なのは良品率の向上で、200を超える工程から廃棄を生み出すネガティブな要素を徹底的に排除していくために、エキスパートから中学を卒業したばかりの作業員に至るまでが積極的に品質管理活動に参加し、一丸となって高い技術力を身に着けようとしていたことに当時の視察で深い印象を覚え、優秀な人材の必要性を痛感したという。

そして、技術のレベルこそ当時と現在では雲泥の差があるものの「優秀なチーム」の必要性は今でも通用する道理だと指摘。しかも、かつてのように人材や会社を「製品を作りながら育てる」というやり方は現在の半導体業界では資源の浪費に繋がるため、数千の工程を含み非常に高い技術が要求され、非常に高額な投資が必要となるプロジェクトを十分に回していける優秀な人材を初めから備えていなければいけないとの認識を示した。

次に、優秀な半導体企業を選んで基礎研究でのブレイクスルーを目指す「ナショナルチーム」づくりの重要性を感じたとしている。日本では1976〜80年に当時の通商産業省とコンピューター・半導体企業大手5社が「共同研究所」を立ち上げ、4年間の共同研究により1200件以上の特許技術、300件余りの商業機密技術を生み出し、当時の最高水準のIC開発に成功したと紹介した。

さらに、それぞれに異なる長所を持つ中小メーカーが日本の製造業のピラミッドを構築し、それぞれがニッチながらも不可欠な専門技術の研究開発に地道に取り組んだ結果、さまざまな分野で日本企業が世界市場シェアを占拠するようになったことを挙げた。馮氏は「これらの中小企業単体そして産業群が、まさに日本の製造技術の基盤、底力になっており、かつて日本の半導体産業が急速に米国を追い抜いた大きな要因になったのだ」と評した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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