米国は東南アジアで地歩を失いつつある―米シンクタンク

Record ASEAN    2023年6月13日(火) 5時0分

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中国紙・環球時報(電子版)は10日、米シンクタンク、外交問題評議会のホームページにこのほど、「米国は東南アジアで地歩を失いつつある」とする記事が掲載されたことを取り上げた。写真はマニラ。

中国紙・環球時報(電子版)は10日、米シンクタンク、外交問題評議会のホームページにこのほど、「米国は東南アジアで地歩を失いつつある」とする記事が掲載されたことを取り上げた。

記事はまず、「中国政府は過去5年間に東南アジアでより積極的な軍事・外交アプローチを採用してきた」「これがこの地域における中国の地位に悪影響を与えることは当然予想できるが、事実は逆だ」などと指摘した。

記事は、オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所が、東南アジアにおける米国と中国の地域的影響力を経済関係、防衛ネットワーク、外交の影響力、文化の四つのカテゴリーにわたってランク付けし、「米国は過去5年間に東南アジアにおける影響力を四カテゴリーすべてで失った」と結論付けたこと、同様にシンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所による最近の研究でも、世論調査の回答者の過半数が、中国は現在、東南アジアで最も支配的な経済と政治における戦略的大国であると認識していることを紹介した。

ローウィーの報告書によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する10カ国のうち、米国はフィリピンとシンガポールにおいてのみ「最も影響力のある大国」だ。

記事は、両シンクタンクの研究に基づき、「東南アジアの多くの国が中国のより積極的な軍事行動に明らかに恐怖を感じているという事実にもかかわらず、米国の影響力は急低下している」と指摘した。

それによると、インドネシアとベトナムは近年、米国との軍事協力をやや緊密にすることを選択しているが、そうすることで中国政府を敵に回さないよう注意を払っている。米国との関係が長いマレーシアでさえ、米国から遠ざかり中国への関心をますます強めている。ローウィーの報告書は、米国が2018年から22年の間にマレーシアで東南アジアの他のどの国よりも大きな影響力を失ったことを示している。貿易や投資に加えて、東南アジアや世界の他の地域の国々が債務や経済危機に陥った際、中国政府は最後の貸し手としての役割をますます強化している。

中国政府は地域の経済統合に自らを利用し続け、大規模な地域貿易協定に参加してきた一方で、米国政府は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)のような東南アジア諸国が関与する貿易協定から撤退し、この地域の経済統合の取り組みから完全に撤退している。バイデン米政権は漠然としたインド太平洋経済枠組み(IPEF)を提案したものの、米国市場へのアクセスについては約束せず、「けちで不真面目な」地域貿易協定であると見られている。同時に米国が外国に米国への投資を促すために産業政策を利用するようになったことは、東南アジアだけでなく北東アジアでも多くの人々を怒らせている。日本や韓国は米国の保護主義が重要な産業に損害を与えるのではないかと懸念している。

記事はこれらに触れた上で、「ローウィーとISEASの報告書が示すように、東南アジアにおける米国政府の親しい友人たちの距離はますます遠ざかっている。これは米国にとってコストのかかる傾向であり、将来的には危険なものになる可能性がある」とした。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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