テニスの全仏オープン女子ダブルスで失格となった加藤未唯が、混合ダブルスで優勝を果たした。中国のテニスファンからも祝福の声が上がっている。

ティム・プッツ（ドイツ）とペアを組んだ加藤は8日の決勝でビアンカ・アンドリースク（カナダ）とマイケル・ヴィーナス（ニュージーランド）のペアと対戦。タイブレークの熱戦の末に見事初優勝を勝ち取った。

加藤は優勝インタビューでプッツやコーチらに感謝を示した上で、女子ダブルスの騒動に言及し、「精神的につらかった。選手やコーチたちがかけてくれた温かい言葉がポジティブなエネルギーになって、ここまで来ることができた」と語った。また、女子ダブルスの相手ペアについて「またどこかで対戦し、いい試合をしたい」と語った。

加藤は4日に行われた女子ダブルスで、プレー外で放ったボールがボールガールの頭に直撃。初めは警告を受けたもののその後、相手のマリエ・ブズコバ（チェコ）、サラ・ソリベストルモ（スペイン）ペアが「彼女は泣いている」などと抗議したことで、最終的に加藤は失格となった。

この判定については、多くの選手や関係者から批判の声が続出。プロテニス選手協会（PTPA）も「失格は不当」とする声明を出した。また、往年の名選手マルチナ・ナブラチロワ氏は「相手を失格に追い込むなど恥でしかない」と審判に抗議した相手ペアを非難した。

中国のテニスファンからも騒動について加藤を擁護する声が圧倒的に多く、「失格は重すぎる」「（加藤が）かわいそうすぎる」などの声が上がっていた。今回の混合ダブルスの優勝には「これは良い結果だ！ブズコバとソリベストルモに見せつけた」「あなたは本当に勇敢だった」「加藤を応援せずにはいられないよ」「完璧な結末と言えるんじゃないか（グッド）」「なんてすがすがしいスピーチなんだ」などの祝福のコメントが相次いで寄せられている。（翻訳・編集/北田）