中国で粉ミルク売れず、出生人口が減少したからなのか―中国メディア

Record China    2023年6月12日(月) 6時0分

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8日、中国新聞週刊は、中国国内で乳児用の粉ミルクが売れなくなっている状況について報じた。

2023年6月8日、中国新聞週刊は、中国国内で乳児用の粉ミルクが売れなくなっている状況について報じた。

記事は、福建省アモイ市に住む2児の母親が「数年前に比べて粉ミルクが安くなった」と語ったことを紹介。ECサイトのショップ上では昨年以前に1個340元前後で販売されていた中高級粉ミルク缶が今年5月には280元にまで値下がりしており、粉ミルクの販促値下げも頻繁に行われていると伝えた。

また、国家統計局のデータとして、22年の出生数が956万人と初めて1000万人を割り込み、90年代初めの半分にまで落ちこんだほか、合計特殊出生率も19年1.52から1.07まで一気に低下したことが明らかになるなど、中国で深刻になっている少子化に伴う粉ミルクの販売数減少が価格の下落につながっており、「国内の各大手粉ミルク企業は、出生率の低下により営業収入の減少、コストの上昇を回避できなくなっている」とした。

さらに、粉ミルク業界の専門家らは早々に人口減少に伴う粉ミルク需要の低下を予測していたにもかかわらず、粉ミルク企業が迅速に反応せず生産を続けて大量の在庫が発生しており「国産粉ミルクの生産過剰は今後5〜10年は解消できない」との見方さえ出ていると指摘。長年粉ミルクの卸売業に携わっているという人物が「メーカーが全国的に価格を下げているのではなく、各地の卸売業者が自らの利益を圧縮する形で価格調整している。粉ミルクには品質保持期限があり、ある地域で売り上げが思わしくなかった場合、在庫過剰にならないように低価格で他の地域に転売せざるを得ない」と語ったことを伝えている。

記事は、出生率の低下による需要の縮小とこれに伴う価格戦争の激化に加えて、全脂粉乳やホエイパウダーなどの主要原料価格の高騰、新型コロナに伴う物流の中断、新たな国家規格の導入によるコストの大幅な増加といった要素も粉ミルク関連企業の業績悪化の要因になっていると紹介した。

その上で、最近では複数の粉ミルクメーカーが相次いで成人向け、特に高齢者向けの粉ミルクブランドを立ち上げたり新製品を発売していると紹介。一方で専門家からは「乳幼児向け粉ミルクに比べて、中高年者向けの粉ミルク製品にはまとまった消費者層が形成されておらず、購入者を育成していく必要がある」との指摘が出ているとした。また、ある乳製品メーカーの董事長が「3年間のコロナ禍で国民の栄養に対するニーズ、意識は高まったとはいえ、成人向け粉ミルク製品が乳幼児向け市場の縮小の影響を短期間で穴埋めすることは難しい。5〜10年のスパンで見れば、乳幼児市場を超える市場空間が見えてくるかもしれない」との見方を示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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