新型コロナウイルス起源、「武漢研究所を公式調査」と元トップ科学者、結果は問題なし

Record China    2023年6月10日(土) 13時0分

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新型コロナの起源めぐり、「武漢ウイルス研究所」の公式調査が行われたと中国の元トップ科学者が明らかにした。公式調査を関係者が認めたのは初めて。「結果は問題なしと聞いた」という。写真は武漢。

新型コロナウイルス感染症の起源めぐり、英BBCは米国などが流出の可能性が高いとする「武漢ウイルス研究所の公式調査が行われたと中国の元トップ科学者が語った」と報じた。同研究所の公式調査が実施されたと関係者が認めたのは初めて。「結果は問題なしとされたと聞いた」という。

BBCラジオ4のポッドキャストのインタビューに応じたのは、世界的なウイルス・免疫学者で、中国疾病予防コントロールセンター(CDC)の最高責任者だった高福教授。中国の新型ウイルスの感染流行への対応と起源の調査で重要な役割を果たした高教授は、昨年CDCを退職。現在は中国国家自然科学基金の副会長を務めている。

新型コロナについて、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は2月末、起源が「中国政府が管理する研究所」である可能性が「最も高い」との見方を示した。

機密解除された米当局の情報によると、武漢ウイルス研究所の複数の研究者が2019年秋、「(新型ウイルス感染症の)COVID-19と一般的な季節病の両方と合致する」症状で体調を崩したとされる。レイ長官は「FBIはしばらく前から、今回のパンデミック(世界的大流行)の起源は研究所の事故である可能性が最も高いとみている」と主張した。

中国政府は「武漢ウイルス研究所起源説」を否定しているが、BBCによると、高教授は「研究施設から流出した可能性を排除すべきではない」と指摘。「いつでもどんなことでも疑いはある。それが科学だ。何も排除すべきではない」とも話した。

高教授によると、武漢ウイルス研究所に対して何らかの正式調査が行われた。このことからは、中国政府が公式発表以上に流出説を深刻に受け止めている可能性がうかがえる。

高教授は「政府が何かを計画した」と説明。ただ、CDCは関与しなかったとした。政府の別の部署が調査を担当したのかとの問いには「そうだ。研究所は専門家たちが2度調べた」と答えた。高教授は結果を見ていないが、研究所は問題なしとされたと「聞いた」と述べた。

一方、シンガポールのデューク・シンガポール国立大学医学部で感染症を研究している王林発教授は、新型コロナの流行が始まった2020年1月、武漢ウイルス研究所を訪れた。王教授はこの研究所の名誉教授でもある。

王教授によると、研究所の同僚だった石正麗教授は、自身の研究室に知らないサンプルがあり、そこからウイルスが何かに移って外に出た可能性を心配していた。サンプルを確認したところ、そうした痕跡は見当たらず、石教授は懸念を打ち消すことができたという。

石教授は「バットウーマン」のあだ名で知られているコウモリのコロナウイルスの世界的な専門家。王教授が石教授に抗体の検査をするよう勧めたところ、研究チームの全員が検査を受け、陰性だったという。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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