深セン市内のビルで異常振動が発生して入居者が深夜の避難、2年前にも同様の事態

Record China    2023年5月20日(土) 16時10分

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広東省深セン市で18日深夜、市内にあるビルの百富興大厦の入居者から、建物が異音を出して振動しているとの通報があった。当局は入居者全員を避難させた。深セン市内では2年前にも同様の事態があった。

広東省深セン市で18日深夜、同市竜崗区にあるビルの百富興大厦の入居者から当局に対して、建物が異音を出して振動しているとの通報があった。当局は入居者全員を避難させた。深セン市内では2年前にも同様の事態があった。

入居者からの通報があったのは18日午後11時30分ごろだった。当局は現場に人員を派遣して、入居者全員を避難させた。けが人などは出なかった。行政側関連部門が編成した専門家チームが安全評価と原因の調査を始めた。

同事態を受け、インターネットではさまざまな書き込みが見られるようになった。あるネットユーザーは、建物下に地下鉄路線があり、電車が通過した時に揺れたのではないかと推測した。入居者が建物の構造上必要な壁を勝手に撤去した疑いがあると論じた投稿もある。ただし、建物に異常が発生した原因は調査中で、結論は出ていない。百富興大厦は2000年に建てられたマンションビルで、1階部分は店舗だ。

深セン市内では2021年5月18日にも、高層ビルで異常な振動が発生して入居者全員が退去したことがあった。振動が発生したのは賽格広場というビルで、市当局が編成した専門家チームは同年7月15日、ビル屋上にあったマストが風の影響で揺れ、ビル全体が共振したことが原因だったと発表した。問題のマストは撤去され、当局は安全は確保されたとして、同年9月8日に賽格広場の再使用を許可した。

大型建築物の設計では、共振現象の防止が極めて重要だ。共振のメカニズムが詳しく分かっていなかった1940年には米国で、全長1600メートルのタコマローズ橋が、風による共振で破壊されて落下した。完成してから約4カ月だった。同橋では風が吹くたびに大きな振動が発生するのですでに通行止めになっており、死傷者は出なかった。1850年にはフランスのバス・シェーヌ橋が落下して、行軍中の将兵226人が死亡した。約500人の兵士が歩調を合わせて行軍したために、橋に共振現象が発生したためと見られている。

そのため、百富興大厦の異常な振動も、なんらかの共振現象によるものである可能性は否定できない。ただし、2年前に異常な振動を起こした賽格大廈と、今回の百富興大厦には大きな違いがある。賽格広場は72階建てで高さ355.8メートルで、百富興大厦は25階建てで高さは100メートルを超えないことだ。両建物の高さには、200メートル以上の違いがある。構造物の大きさが違えば、共振を起こす周波数は大きく違うことが一般的だ。

中国の大手ポータル/情報サイトの網易に掲載された百富興大厦の異常を伝えた記事は、公式の調査結果を早急に出して、建物の安全を確保して深刻な事態が生じないようにしてほしいと訴えた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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