世界の死刑の数が過去5年で最多に、中国では依然「国家機密」扱い―独メディア

Record China    2023年5月18日(木) 8時0分

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ドイツメディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は16日、世界の死刑の件数が過去5年で最多となり、中国では依然として「国家機密」扱いになっていると報じた。

ドイツメディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は16日、世界の死刑の件数が過去5年で最多となり、中国では依然として「国家機密」扱いになっていると報じた。

国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルの報告書によると、2022年には世界で少なくとも883人の死刑が執行され、ここ5年間で最多となった。21年と比較すると300人以上増えているという。

同報告書ではイランについて「世界で最も死刑乱用が深刻な国の一つ」と指摘。イランでは昨年、前年度のほぼ2倍に当たる少なくとも576人に対する死刑執行が国から承認されたという。また、サウジアラビアでは21年に196人が死刑に処されたといい、アムネスティ・インターナショナルのアグネス・カラマード事務総長は報告書発表に際して「信じるか信じないかはあなた次第だが、サウジアラビアは1日で81人の死刑を執行した」と発言した。

記事は、「注意すべきはこれらの統計に中国での死刑の数が含まれていないことだ(毎年、数千人に上ると推定されている)」と指摘。「ベトナムや北朝鮮での死刑も同様に、報告されたデータには表れていない」とした。

さらに、日本や米国シンガポールなど、ドイツとパートナーシップを結んでいる国でも死刑を採用しているところがあるとした上で、ドイツ連邦議会人権・人道支援委員会の報道官で緑の党のボリス・ミヤトビッチ議員が「これらの国々に対して死刑批判を表明するたびに、相手は気まずい表情、あるいは自信に満ちた表情を浮かべて『あなたたち西洋人は私に何を伝えたいのか』という顔をする」と述べたことを伝えた。

ミヤトビッチ氏は「湾岸地域やアジア、北米では長らく続く話題であり、進展させるには想像力が必要だ」とし、「特に死刑が重大な犯罪だけでなくほかの多くの犯罪にも用いられるような国では、こうした(反死刑の)議論を促進すべき」との考えを示したという。

このほか、アムネスティ・インターナショナルの報告書では死刑の約3分の1が麻薬密売に関するものだとされたことについて、ドイツ連邦議会人権・人道支援委員会の委員長でドイツ自由民主党(FDP)所属のレナータ・アルト氏は「これは世界人権宣言や国際法に違反している。なぜならこれら(宣言や法律)は故意の殺人など『最悪の犯罪』の基準を満たさない犯罪に対する死刑を明確に禁止しているからだ」とし、「死刑を採用したからといって殺人や麻薬関連の犯罪が減るわけではない」と法的抑止力に疑問を呈した。

記事は、「22年末までに世界112カ国が死刑を廃止しており、昨年末には国連加盟国の3分の2に当たる125カ国が世界的な死刑停止に賛成票を投じた。この賛成票の数は過去最高を記録した」と伝えている。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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