中国でお寺巡りが若者のストレス解消に、寺院関連の入場券売り上げは前年比310%増

Record China    2023年5月14日(日) 18時0分

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中国ではストレス解消のためにお寺巡りをする若者たちが増えている。今年に入って、全国の寺院関連の景勝地の入場券売り上げは前年比310%増。10代、20代の利用が多数を占めている。

中国ではストレス解消のためにお寺巡りをする若者たちが増えている、と中国メディアが報じた。中国の旅行プラットフォーム「携程(シートリップ)」によると、今年に入って、全国の寺院関連の景勝地の入場券売り上げは前年比310%増。10代、20代の利用が多数を占めている。

中国通信社CNS)によると、お寺巡りの背景について、北京大学中国語学部の張頤武教授は「ここ数年の中国の若者の間での占いブームをみると、迷信は信じられないという思いがある一方で、何かに頼って安らぎを得たいという心理もうかがえる」と話す。

寺院での瞑想(めいそう)などの没入型のリラクセーションは若者たちを魅了。現在、中国の浙江省、河北省、福建省などの寺院では瞑想キャンプが開設されており、このような短期の修行活動は心を落ち着かせる効果をもたらす便利な方法になっている。

若者が寺院でストレスを発散する中で、寺院側も若者の活力を活用するようになっている。多くの中国の寺院の周りにはさまざまなカフェがオープンするようになった。寺院文化とコーヒー文化の組み合わせは、寺院の魅力を高める新たな要素になりつつある。CNSは「中国では寺院をめぐる経済活動『寺院経済』が静かではあるが、徐々に熱くなってきているようだ」と伝えた。

お寺巡りが中国の若者の間で人気を集めている現象は、共産党機関紙「人民日報」の電子版・人民網も取り上げた。北京市にあるチベット仏教の寺である雍和宮が入場者数制限をしたり、浙江省杭州市の霊隠寺の菩提樹の実などで作られたブレスレットが限定販売になったり、陝西省西安市の広仁寺の入り口に長さ1キロにも達する長蛇の列ができたりと、静かで厳かな寺院が最近にぎわいを見せている。

今年2月以降に寺院関連の景勝地の前売り入場券を購入した人のうち、90後(1990年代生まれ)と00後(2000年以降生まれ)が約50%を占めている。赤い壁と黄色い屋根瓦、生い茂る木々に、うっすらと煙がたなびく寺院を巡ることは、これまではずっとニッチな旅行スタイルだった。

若者たちが寺院の何に魅力を感じているのかに関して、人民網は「現代の若者が長期にわたって悩みを抱えていることを裏付けている」と指摘。「仕事の悩みや学歴の悩み、容姿の悩み、スタイルの悩み、収入の悩みなど、周囲との激しい競争に巻き込まれ、そこから抜け出すことができず、達観しようと『寝そべった』ところで気持ちがすっきりすることができない若者たちが寺院で『癒やし』を得ているのだ」との見方を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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