ChatGPTで鉄道事故の虚偽ニュース生成し拡散、中国当局が男を拘束、関連事件は初めて

Record China    2023年5月12日(金) 10時0分

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中国の警察当局は対話型人工知能(AI)サービス「ChatGPT」を使って鉄道事故の虚偽ニュースを生成し拡散した疑いで男を拘束した。ChatGPTの悪用に関連した刑事事件は中国で初めてとみられる。

中国の警察当局が対話型人工知能(AI)サービス「ChatGPT」を使って鉄道事故の虚偽ニュースを生成し拡散した疑いで男を拘束した、と米CNNなどが中国メディアの報道を引用して伝えた。ChatGPTの悪用に関連した刑事事件は中国で初めてとみられる。

ChatGPTなどが世界的に普及する中、中国国家インターネット情報弁公室は4月、AIが生成した文章などに関する規制案を公表。規制案ではAIが生成する内容について事業者が責任を負うよう求め、違反した場合は罰金やサービス停止などの処罰対象になると明記した。

さらに「社会主義の中核的価値を反映し、経済や社会の秩序を乱さないようにしなくてはならない」と強調。政府は共産党の指導に疑問を呈する内容をAIが生成するケースなどに厳しく対処する方針だ。ChatGPTは中国で禁止されているが、インターネットの仮想プライベートネットワーク(VPN)を使えば利用できる。

CNNなどが紹介した中国北部・甘粛省平涼市の警察当局の発表によると、拘束された男はChatGPTを使って列車の衝突に関する偽ニュースを捏造(ねつぞう)し、金目当てで通信アプリ「微信(ウィーチャット)に投稿したとされる。

警察当局は「鉄道事故で9人が死亡した」との事実に反するニュースを発見。中国最大の検索エンジンを提供する「百度(バイドゥ)」が運営するブログ型プラットフォーム「百家号」で複数のアカウントに投稿されていた。この記事は削除されるまで1万5000回余り閲覧されていたという。

男はウィーチャット上の友人からクリックで稼ぐ方法を伝授してもらったと警察当局に供述。当局は「最新技術を使って虚偽情報を捏造し、ネットで拡散させた」と断じ、「けんかを売ったりトラブルを巻き起こしたりするのに等しい行為」としている。男には「騒動挑発」の疑いがあるとも当局は説明。有罪となれば少なくとも5年の懲役刑となる。

中国では2011年に浙江省温州市で40人の死者を出した高速鉄道の衝突事故以来、列車事故はデリケートな問題となっている。当時、政府は国営メディアがタイムリーな報道をしなかった理由について説明を迫られたこともある。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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