米国にはなぜまだ高速鉄道がないのか―中国メディア

Record China    2023年5月10日(水) 8時0分

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9日、観察者網は「米国はどうして今に至るまで高速鉄道が建設されないのか」とする文章を掲載した。写真は米ロサンゼルス市のユニオン駅 。

2023年5月9日、観察者網は「米国はどうして今に至るまで高速鉄道が建設されないのか」とする文章を掲載した。

文章は、米国ではワシントンからボルチモア、フィラデルフィア、ニューヨークを経由してボストンに至る全長734キロ、最高時速240キロのアクセラエクスプレスが事実上の高速鉄道となっているが、厳格な定義からすれば同路線は高速鉄道の基準を満たしていない「単なる特急路線だ」と紹介。これまで米国では日本や中国、欧州諸国が建設してきたような高速鉄道が今なお存在しない状況であるとした。

そして、米国でもこれまでに高速鉄道建設の計画が持ち上がったことはあり、08年にアーノルド・シュワルツェネッガー氏がカリフォルニア州知事に就任した際にサンフランシスコとロサンゼルスを2時間半で結ぶ高速鉄道建設計画を打ち出したと説明。ほどなくプロジェクトが始動したものの融資や用地確保、コストなど種々の問題によって着工に漕ぎ着けたのは同氏が知事を退任してからすでに4年が経過した15年だったとした。

また、17年に民主党のオバマ政権から共和党のトランプ政権へと移行したことで高速鉄道プロジェクトはますます厳しい立場に立たされ、19年には同州知事が計画の縮小を発表、さらにはトランプ大統領が連邦予算の支給を取り止めにしたことでプロジェクトは無期限停止に追いやられ、21年に民主党のバイデン政権が発足するまで停滞を強いられたと解説。着工から10年近い時間が経過したにもかかわらず、全長わずか1000キロのうち8分の1さえ建設できていない状況だと指摘した。

その上で、200年前に大規模な鉄道建設を始めて早い時期に世界随一の鉄道網を完成させた鉄道大国の米国が遅々として現代技術の結晶というべき高速鉄道を建設できない最大の要因が「技術的な問題ではなく、政治的な問題にある」と分析。米国の2大政党である民主党と共和党は互いに政策が大きく異なり、往々にして自らの利権を守るために「相手が支持することは何でも反対」というスタンスを取る傾向にあり、どちらかが政権を握って計画を打ち出そうとすれば、もう一方は是が非でも反対し、実行を阻止するのだと論じた。

そして、同州の高速鉄道プロジェクトでも、民主党のオバマ政権時に打ち出された連邦予算による補助が共和党のトランプ政権では支持されないばかりか補助自体を取り消してしまい、バイデン氏率いる民主党が政権を取り戻すと補助が再開されるという状況が繰り返され、一向に前進できないのだと伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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