中国内モンゴル自治区で太陽光発電と黄砂もたらす砂漠化の対策融合を推進―国営メディア

Record China    2023年5月7日(日) 6時0分

拡大

中国の内モンゴル自治区で太陽光発電と黄砂をもたらす砂漠化の対策を融合するプロジェクトが進められている。砂漠での農林・牧畜業などを含む複合型の発展を目指している。写真は内モンゴル自治区。

中国の内モンゴル自治区で太陽光発電と黄砂をもたらす砂漠化の対策を融合するプロジェクトが進められている、と国営新華社通信が報じた。太陽光パネル下の地面を緑化しながら発電を行う「林光互補」の建設モデルを採用。砂漠での農林・牧畜業などを含む複合型の発展を目指している。

中国気象局の統計によると、今年に入ってから中国では黄砂が11回発生。2000年以降、同期の平均回数(8.2回)に比べ2.8回多く、この10年で最多となった。

特に3月は北部にある黄砂発生源地域の気温が例年より4~6度高くて降水量が少なく、冬に凍結した表土層の融解が加速。モンゴル国や内モンゴル自治区などの地域の植物が青くなるのが遅い上、積雪も少なく、地表は黄砂が飛びやすい状態となっていた。

AFP通信が紹介した新華社通信の記事によると、内モンゴル自治区オルドス市で4月26日、海外メディアによるプレスツアーが行われた。記者団は同市ダラト旗にある太陽光発電応用先導基地を訪れ、同旗が砂漠化対策とグリーン(環境配慮型)発展を結び付け、新エネルギー産業を積極的に推進している状況を取材した。

ダラト太陽光発電応用先導基地は、国有発電大手の国家電力投資集団、太陽光発電企業の中節能太陽能科技、太陽光発電施設の建設などを手掛ける中広核太陽能開発が共同出資して建設した。


同基地はクブチ砂漠の豊富な太陽エネルギー資源と広大な土地を活用するとともに、太陽光パネル下の地面を緑化しながら発電を行う「林光互補」建設モデルを採用。砂漠の生態管理、現代エネルギー経済、砂漠での農林・牧畜業、砂漠観光などを融合した複合型の発展を推進している。

同基地にある100万キロワットの太陽光発電プロジェクトはすでに全容量が送電網に接続しており、グリーン電力発電量は年間2千ギガワット時(GWh)に上る。これにより標準炭換算で年間68万トンの石炭消費を節約し、165万トンの二酸化炭素(CO2)排出を削減でき、クブチ砂漠の面積6万ムー(4000ヘクタール)に及ぶエリアの効果的管理を実現した。

このうち、国家電力投資集団が建設した太陽光発電所「駿馬」はソーラーパネル20万枚近くから成り、2019年7月9日にソーラーパネルで構成された世界最大の絵としてギネス世界記録に認定された。

ダラト旗にある畜産業を主とする企業・中畜科技の責任者によると、同旗はここ数年、牧畜業と太陽光発電の相互補完を積極的に推進。ソーラーパネルの下で栽培した牧草を飼料として牛に与え、牛ふんで砂地の肥沃(ひよく)度を上げて土壌を改良し、持続可能なグリーン養殖を通じて太陽光発電基地と養殖基地の周辺に暮らす農民と牧畜民の増収につなげ、富をもたらしているという。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携