中国が大国間競争で優先する3つの戦略的技術―海外メディア

Record China    2023年4月26日(水) 5時0分

拡大

中国メディアの参考消息によると、アジア太平洋地域の国際問題を扱うオンライン誌「ザ・ディプロマット」はこのほど、「中国が大国間競争で優先する三つの戦略的技術」とする記事を掲載した。

中国メディアの参考消息によると、アジア太平洋地域の国際問題を扱うオンライン誌「ザ・ディプロマット」はこのほど、「中国が大国間競争で優先する三つの戦略的技術」とする記事を掲載した。

記事はまず、中国について「2049年までに、宇宙、人工知能(AI)、量子通信・コンピューティングの三つの戦略的技術で世界的リーダーになることを目指している」とした。

宇宙については、中国が36年までに月面に恒久的な基地を建設し、50年までに宇宙ベースの太陽光発電プロジェクトを通じてギガワットレベルの発電能力を実証し、33年から49年までの間に有人火星ミッションを実施し、25年までに小惑星探査ミッションを実施することを目指しているとした。

また、独自の低軌道(LEO)宇宙ステーションを持つ唯一の国でもある中国の科学者が最近、宇宙ステーションで酸素資源を100%再生するテストに成功したと発表したことや、中国には35基の衛星からなる独自の独立した北斗航法システムがあること、惑星防衛が重要な任務として特定される中、中国の惑星防衛任務には小惑星や隕石(いんせき)の追跡、偏向技術の開発も含まれること、中国は南西部の重慶市に30メートルの開口部を持つ25のレーダーを含む深宇宙観測施設を建設していることなどにも言及した。

AIについては、中国情報通信技術院が21年に「信頼できる人工知能」に関する白書を発行し、経済発展の重要なイネーブラーとしてのAI開発を強調したこと、中国は今年、AIに世界の投資の約10%に相当する約147億ドル(約1兆9733億円)を費やすと予測されていて、その額は26年までに約260億ドル(約3兆4903億円)に達すると推定されていることを取り上げた。

また、中国が最近、スペースデブリを回避できるAI対応衛星の開発を発表したこと、キューブサットで構成される軌道プラットフォームというAIによって可能になるもう一つのプロジェクトにも取り組んでいること、25年までに米国の衛星攻撃兵器(ASAT)をそらすためにAIを活用した「吉林1号」衛星ネットワークの開発を計画していること、AIは敵の潜水艦を識別して標的にできる中国製の無人潜水艇(UUV)も可能にしていることなどにも触れ、「AIは、中国の『中国製造2025』およびイノベーション戦略において重要な技術および産業として認識されている。中国は30年までにAIの世界的リーダーになることを目指している。これらの努力のおかげで、中国はAI技術で米国を凌駕している。AI論文発表数も世界一だ」とした。

量子通信・コンピューティングについては、中国の科学者が17年に前年に打ち上げられた世界初の量子科学実験衛星「墨子号」を利用して衛星・地球双方向量子もつれ配送と量子力学非局所性検証を実現し、量子通信でのリードを世界に示したこと、中国の科学者の潘建偉(パン・ジエンウェイ)氏が21年に英科学ジャーナルのネイチャーで発表した論文で、「墨子号」を利用して安全な量子通信の方法を示し、中国をハッキング不可能な通信機能の目標に近づけたことなどに触れた。

記事は、「宇宙、AI、量子通信・コンピューティングの進歩により、中国はテクノロジー大国へと成長しつつある。台頭する中国と衰退する米国の間で相対的な力をめぐる競争が進行だ。これは、今後の国際秩序に直接的な戦略的意味を持つ。三つの戦略的技術における進歩は、中国が世界的な優位性を確立しつつあることを物語る」とした。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携