北朝鮮、全面閉鎖の開城工業団地で工場を無断稼働、外貨稼ぎに活用?―韓国紙

Record Korea    2023年4月21日(金) 17時0分

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北朝鮮が2016年2月に全面閉鎖された開城工業団地内の韓国の工場を無断で稼働していることが確認された、と韓国紙が報道。外貨稼ぎの手段として活用しているとみられる。

北朝鮮が2016年2月に全面閉鎖された開城(ケソン)工業団地内の韓国の工場30カ所を無断で稼働していることが確認された、と韓国紙が報じた。過去に開城工業団地に入居した韓国企業125社が所有する工場のうち設備の稼働が可能な所を選んで外貨稼ぎの手段として活用しているとみられる。

開城工業団地は南北経済協力の一環として南北軍事境界線の北側に建設され、韓国企業の工場で北朝鮮の労働者が働いていた。韓国政府は16年、北朝鮮による4回目の核実験や相次ぐ長距離ミサイル発射を受けて同団地の稼働を全面的に中断した。同団地に設置された南北共同連絡事務所は20年6月、北朝鮮によって爆破された。

中央日報によると、北朝鮮が無断稼働した韓国企業の工場は昨年10カ所ほどだったが、最近はその規模が3倍近く増えた。韓国軍の観測カメラなどで閉鎖当時に韓国企業が回収できなかった原材料まで使用する状況が判明した。

米政府系のラジオ自由アジア(RFA)も18日、北朝鮮が開城工業団地の韓国側設備を無断で使用している状況が熱赤外線衛星画像でも捉えられたと伝えた。民間衛星写真専門会社「プラネットラボ」が2月24日に同団地一帯を熱赤外線衛星で撮影した写真を確認した。熱赤外線で温度を感知すると、温度が高い所は赤、低い所は青で表示される。熱を出している赤いエリアは4カ所確認されたという。

このうちクク電子、サマス電子、ミョンジン電子、ジェーシーコムなど韓国企業の工場では電気・電子装備など相対的に付加価値が高い製品が生産されている。韓国の情報当局がブローカーの活動や流通した製品を調査した結果、一部は国内で売られ、残りは輸出に回っていることが把握された。

北朝鮮が開城工業団地で生産・販売する代表的な商品は炊飯器だ。同団地が閉鎖された当時、クク電子は1万個の製品と42万個を生産できる部品を工場に残して撤収したが、北朝鮮はこれを活用して炊飯器を生産した後、「圧力飯釜」という商標で平壌(ピョンヤン)百貨店などでも販売している。こうした形で不法生産された「偽物」は6人用炊飯器が50ドル(約6700円)、10人用炊飯器が80ドルの値段が付いている。

シンウォン、ボムヤングローブ、ISレジャースポーツなど別の8~10カ所の工場では繊維・衣類縫製など賃加工作業が行われている。北朝鮮は17年9月と12月に採択された国連安全保障理事会決議に基づき繊維製品と電子機器を輸出できないが、開城工業団地工場で不法加工・生産した製品を中国やロシアなど友好国の流通網を活用して販売する形で制裁を回避。稼いだ外貨は金正恩(キム・ジョンウン)政権の核・ミサイル資金として活用されている可能性が高いとされる。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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