ファーウェイが世界アナリスト大会、孟晩舟氏らが社会や会社の現状や展望を紹介

Record China    2023年4月20日(木) 9時10分

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ファーウェイが主催する2023年の世界アナリスト大会が広東省深セン市内で始まった。同日には、副会長や輪番会長、最高財務責任者などを兼任する孟晩舟氏らによる基調講演などが行われた。

華為技術(ファーウェイ)が主催する2023年の世界アナリスト大会が19日午後、広東省深セン市内で始まった。同日には、副会長や輪番会長、最高財務責任者などを兼任する孟晩舟氏らによる基調講演などが行われた。

デジタル化は産業全体にとってのブルーオーシャン

ファーウェイによる世界アナリスト大会は2004年に第1回が開催され、その後は毎年1回ずつ開催されてきた。今回のテーマは「デジタル生産力を飛躍させ、スマート世界への歩みを加速する」だ。同大会では世界のさまざまな業界関係者や産業アナリスト、経済金融アナリスト、オピニオンリーダ、メディア関係者など1000人以上が最先端技術の方向性や、産業発展戦略、業界デジタル化の方向性について検討を重ねる。

孟氏の基調講演の題名は「初心は岩のごとく、心を一つに協力し奮闘し、デジタル化された未来を共に勝ち取る」だった。孟氏は世界のデジタル化について、「デジタル化は産業チェーン全体の新たなブルーオーシャンであり、デジタル生産力の飛躍は、今がまさにその時だ」と述べた。ブルーオーシャン(藍海)は、事業展開などについて新たに乗り出していく広大な空間を意味する。中国では、「大きな成果が期待できる」ということで関心が高まり、さまざまな分野でこの語がしばしば使われる。

孟氏は自社については、接続やコンピューティング、ストレージ、クラウドなどの分野への投資を維持し、顧客に極めて簡素なアーキテクチャ、極めて高品質、極めて低コスト、極めて優良な体験をもたらす「4『極』デジタルインフラ」を提供していく。また、パートナーと手を携えて、顧客のために「作業のデジタル化」、「デジタルプラットフォーム化」、「プラットフォームのスマート化」、「スマート実戦力化」の「4『化』デジタル化モデルチェンジ」を実現し、デジタル化された未来に向けて共に勝利を勝ち取っていく考えという。

これまでの経験でデジタル化を成功させる条件が分かった

孟氏はさらに、「10年間の実践」より得られたと知見として、デジタル化モデルチェンジについての「3つの核心」を語った。まず、デジタル化の本質は選択戦略と戦略計画であり、成功したデジタル化はすべて、戦略によって駆動されたものであり、技術主導で進められたものではないという。すなわち、デジタル化モデルチェンジとは、「新しい技術があるならば取り入れてみよう」程度の安直な考えで着手するものではなく、自社事業や業界に存在する問題点を具体的に認識し、「何をどう、どのような目標を目指して変革していくか」という長期的視野に基づいて、具体的な方策を定めて進めて行くべきとの指摘だ。

第2の核心は、基盤となるのはデータ・ガバナンスが基本となることだ。データ・ガバナンスを科学的に実現してこそ、企業内でデータの流れが意味を持ち、異なる次元のデータが集結して初めて、新たな価値が創造されるのだという。

第3点は、データのインテリジェンス化に向かうことだ。データはすでに生産力そのものになりつつあり、作業のデジタル化やデジタルプラットフォーム化により、データは透明化され、集約され、モデルチェンジの基盤となる。プラットフォームのスマート化やスマート実戦化により、データは必要性に対応でき、分かりやすく、有用になる。孟氏は、これらの進展を「デジタルトランスフォーメーションの深化」と表現した。

孟晩舟氏

ハーモニーのコニュニティーで開発者5100人がコード1億行以上を投稿

孟氏は同講演で、ファーウェイが5.5G技術の確立を推進しつづけていくと説明し、デジタルトランスフォーメーションの過程で蓄積した技術やツール、経験を、ファーウェイのクラウド上で開放していくと宣言した。同社関係者はかねてより、取得した技術などを自社だけで「囲み込む」ことは避けて、多くの企業が利用できる状況を出現させて産業全体の発展に貢献する道を歩むと主張しつづけている。

ファーウェイが開発したOSのハーモニーについては、オープン・ハーモニー・コミュニティーでこれまでに開発者5100人以上が、累計1億行以上のコードを投稿していると説明。ハーモニーの浸透状況では、すでに260種以上のソフトウェアやハード製品について合格が認められ、教育、金融、交通などのさまざまな分野をカバーすることになったという。

AIは急速に発展する一方で、解決が必要な基本的課題も

19日のファーウェイの世界アナリスト大会では、同社戦略研究院の周紅院長も基調講演を行った。周院長は、高度にスマート化された世界の実現のために、今後も解決していかねばならない中核的な二大課題は「通信」と「コンピューティング」と説明。ファーウェイの場合には、通信量の上限を理論的に導き出すシャノン・ハートレーの定理について最初の仮定部分や応用の条件を突破した段階に至り、現在では通信量を10年間で100倍に増やす条件が整ったという。

コンピューティングについては、新たな計算モデルやフレームワーク、部品などを取得していくことが今後の方向性であり、人工知能(AI)の能力向上を重視しているという。AIを産業用に応用するのはもちろんだが、ソフトウェアの自動生成や数学の定理の自動証明など、より基礎的な分野でもさらに活用できるようにしていく。

周院長はAIの現在も続く急速な発展と、今後への期待を語ると同時に、AIの目標が完全には固まっていない、正確性と適応性が十分とは言えない、消費エネルギーが生物の脳と比べると著しく大きいなどの、AIが現状として抱える課題にも言及した。

周院長は講演の最後に「われわれが今日、未来について想像していることは、未来になってみれば、あまりにも控えめだったことが分かる」との考えを披露した。(翻訳・編集/如月隼人

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