「すずめの戸締まり」が中国で大ヒット、新海誠監督の集大成として描かれた世界―華字メディア

Record China    2023年4月22日(土) 16時0分

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18日、華字メディアの日本華僑報網は、映画「すずめの戸締まり」について、同作の監督・新海誠氏の集大成だとする記事を掲載した。

2023年4月18日、華字メディアの日本華僑報網は、先月24日に中国で公開され大ヒットを記録している映画「すずめの戸締まり」について、同作の監督・新海誠氏の集大成だとする記事を掲載した。

記事は同作について、「2022年11月に日本で上映され、新海誠氏が監督する『君の名は。』と『天気の子』に次ぐアニメーション映画の3作目であり、興行収入ランキングの14位に数えられる。本作は17歳の少女と旅をする少年の冒険ファンタジー。美しい作画、緻密な制作に加え、新海誠監督の一貫したロマン主義的雰囲気を継承し、超自然的な要素がストーリーとうまく合致し、摩訶不思議な旅の過程を描き出している」と評価した。

その上で、「中国本土での上映は日本での上映開始から半年ほど経た後ではあるが、観客の熱い注目や、新海監督と映画ファンの交流を妨げることはなかった」と説明した。3月中旬、新海監督は自ら中国に赴き、一連の宣伝イベントに参加した。北京大学で3月17日に開催された先行上映会はインターネット上ですぐさまホットな話題となったようだ。新海監督は自身のSNSで中国滞在の感想やファンとのやりとりを次々と発信した。

記事は、多くの人が新海監督の名前を知ったのは「君の名は。」だとした上で、中国本土における日本のアニメーション映画の興行収入が最も多いのは「すずめの戸締まり」以前は「君の名は。」だったと紹介した。そしてアニメファンであれば、新海監督の名前を知ったきっかけは十数年前、世間を驚かせた「秒速5センチメートル」だとも推測した。

記事は新海監督の経歴についても触れている。「新海誠監督の本名は新津誠、建設会社の新津組の下に生まれ、大学時代からすでに芸術の才能が表れていた。1997年に第1作目として制作されたショートアニメ作品「遠い世界」はeAT金沢’98特別賞を受賞した。このショートフィルムはたった87秒でモノクロだが、新海監督の以降の作品の礎となった」と評価した。

また、「『遠い世界』は村上春樹氏の小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』からインスピレーションを受け、ノスタルジックな演出効果、雲に向かって飛ぶ紙飛行機、恋愛する男女、日常生活のシーンなどの要素は新海監督の後の作品と一致する」としたほか、「2004年制作のSFアニメーション映画『雲のむこう、約束の場所』は新海監督初の長編アニメーション映画で、第59回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞した。2007年の『秒速5センチメートル』、2011年の『星を追う子ども』、そして2013年『言の葉の庭』と、出す作品はいずれも新海監督にとって節目の作品になった」と紹介した。

さらに、「2016年に社会現象となったアニメーション映画『君の名は。』、2018年の『天気の子』、今年中国本土で公開された『すずめの戸締まり』は、新海監督の『災害3部作』と呼ばれている。3つの作品はすべて大型自然災害に直面する人々の感情に焦点をあて、主人公の少年の豊かな感情の変化は、作品の最も深い部分とつながっている。観客には青春、感情、生命といった共感を与える」と考察した。

一方で、「新海監督の青春恋愛ストーリーには多くの批評家から疑問の声が上がっている」とも指摘し、「『すずめの戸締まり』のテンポとキャラクター作りは、この面が短所だった前作に比べても後退しているようだが、キャラクターの感情の展開をもっと工夫すれば、この2つの問題を同時に解决できるかもしれない」と評した。

最後に記事は、「『すずめの戸締まり』は新海誠ワールドへの扉を開き、この集大成の背景には、4年間にわたる技術と人文知識の蓄積がある」とした上で、「次回作はより良い世界が開かれることを期待している」と述べた。(翻訳・編集/柳朱音

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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