ウルグアイが中国とのFTA締結を模索、周辺国の懸念を呼ぶ―独メディア

Record China    2023年4月13日(木) 5時0分

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独メディアのドイチェ・ヴェレは10日、ウルグアイが中国と自由貿易協定(FTA)を結ぼうとしていることが、周辺国の懸念を引き起こしていると報じた。

独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は10日、ウルグアイが中国と自由貿易協定(FTA)を結ぼうとしていることが、周辺国の懸念を引き起こしていると報じた。

記事は、「農産物の輸出貿易で知られるウルグアイは、FTAを通じて中国との経済貿易の結びつきを強化しようとしている」と説明。ウルグアイ・カトリック大学国際ビジネス研究所のイグナシオ・バルテサギ氏が「ウルグアイの経済規模は非常に小さいが、農業と一部サービスの競争力は非常に高い。そのため中国との貿易はウルグアイ経済にとって有益な補完となる」と述べ、FTA締結は投資も含め二国間の経済貿易関係をさらに深化させるとの見方を示したことを伝えた。

また、ラテンアメリカ社会科学部(FLACSO)の上級研究員、アンドレス・ラッギオ氏が地政学的な観点から「小国であるウルグアイはすべての大国と対話を続けなければならない。なぜなら、これは国際関係が不確実性に満ちている現在、各国の経済貿易と政治的意見の相違のバランスを取るために重要なことだからだ」と指摘したことも紹介した。

一方で、「中国に歩み寄ろうとするウルグアイに近隣諸国は警戒感を強めている」とし、アルゼンチン国際関係評議会(CARI)のパブロ・ベルティン氏が両国のFTA締結が南米南部共同市場(メルコスール。南米諸国による関税同盟)にとって破壊的なものになるとの見通しを示したことに言及。同氏は「市場規模、生産構造、国際貿易システムへの参加について、加盟国間に差異が存在するのは確かだが、これはそうした問題に対する正しい対処ではない」と述べ、一部加盟国と第三国との交渉は適切ではないとの見方を示した。

アルゼンチンのロサリオ国立大学のエドゥアルド・ダニエル・オビド教授は「理想的には、メルコスールの加盟国(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ)は中国とFTAではない貿易協定を結んだ方がいい。この貿易協定は、対中貿易の規模を拡大するとともに、南米諸国が中国に対峙(たいじ)する際の交渉上の地位を高めるものであるべきだ」と指摘。「ウルグアイはいずれ決断を下さなければならなくなる。メルコスールを捨てて中国の懐に飛び込むか、米国とのFTAを棚上げしたように中国とのFTAも凍結するかのどちらかだ」と述べた。

記事は一方で、ウルグアイはチリを見習うべきとの声も出ていると紹介。鉱物資源が豊富なチリは2006年に中国とFTAを締結しているが、チリ人学者のベルナル・メサ氏は「中国とのFTA締結はアジア太平洋地域におけるチリの経済貿易の地位を強化した。これは20年間の模範と言える。大きな国力の差があるにもかかわらず、中国はチリがグローバル展開に役立つ国だと考えた」とし、「ブラジルとアルゼンチンは、ウルグアイが10年間もずっと両国に貿易赤字を垂れ流しているのを知っていながらバランスを回復するための提案を行っていない」と指摘した。

また、ウルグアイ・カトリック大学国際ビジネス研究所のバトサッチ氏も「ウルグアイが望む発展速度を実現するためには、開放というプロセスが重要だ。メルコスールのパートナーたちは、わが国に息抜きの余地と自由を与えなければならない」とし、「私は対中FTAがメルコスールを長い昏睡状態から覚醒させると信じている」と述べたという。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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