経済的困窮、中国の若者は「方向性を見失っている」?―仏メディア

Record China    2023年4月3日(月) 6時0分

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31日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、コロナ後に経済が回復しているように見える中国国内で、若者が希望を失いつつあることを報じた。写真は広州駅。

2023年3月31日、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の中国語版サイトは、コロナ後に経済が回復しているように見える中国国内で、若者が希望を失いつつあると報じた。

記事は、仏紙ル・モンドの上海特派員による文章を紹介。文章は、中国では22年12月のゼロコロナ政策終了以降、経済に活力が戻りつつあり、週末の上海の繁華街を見る限り全てが正常に戻った印象を受けるとする一方で「しかし、現地で話を聞くと経済回復は限定的で、市民の財布のひもがとても固いことがすぐに分かる」と評したという。

そして、独マックス・プランク協会の社会人類学研究者が「新型コロナの数年を経て、若者は進むべき方向を見失ってしまったようだ。若者たちは、あらゆる人生計画を放棄するか、非常に慎ましやかな生活プランを立てるかになっている」と分析したことを紹介している。

その上で、上海で生活する23歳の美容師がコロナ前には1万元(約19万円)に近かった月収が現在は4000元(約7万7000円)にまで減ったと明かすとともに「以前は毎日のようにデリバリーを頼んでいたが、今は節約のために自炊している」と語り、上海でコンピューターエンジニアリングを学ぶ22歳の学生も「コロナが多くの業界に影響している。学生たちは安定を求めるようになっていて、ベンチャーを夢見ることもなくなった」と話したことを伝えた。

記事は、中国では2022年の不動産価格が前年比で24%値下げし、輸出額も昨年の夏から下落し続ける中、企業は再編やリストラ、賃金引き下げを進めていると紹介。中でも最も大きな打撃を受けているのが新社会人層であり、16〜24歳の1月の失業率が17.3%に達したと伝え、ネット上では若者の悲壮な声があふれ、いかにして節約するかに関する書き込みが盛んに行われているとした。

さらに、不動産業界の混乱も若者に不安をもたらしていると指摘。太陽光電池パネル企業で働く29歳の女性は、21年に陝西省で購入したマンションの建設が終わろうかという段階になって開発業者の資金が不足し、一切の工事がストップしたとのことで「政府に対する信頼がなくなった。いろんな機関に行って助けを求めているが、足拭きマットのようにことごとく踏みにじられている」と不満を口にしたことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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