パンダ人気再来、日韓などの観光・経済にも大きな恩恵―中国メディア

人民網日本語版    2023年3月28日(火) 7時30分

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「パンダブーム」の再来で、四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地が人気の観光地になり、パンダ人気は成都市の経済にも火を付けた。

パンダブーム」の再来で、四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地が人気の観光地になり、パンダ人気は成都市の経済にも火を付けた。オンライン旅行予約サイトのQunar.Comでは、3月以降の成都行き航空券の予約件数が2019年同期比で20%増加した。成都だけでなく、パンダに関わりがある他の場所も注目度が上昇し、海南熱帯野生動植物園などは入場者が大幅に増加し、「パンダの兄弟」を一目見ようとやって来た人が相当な割合を占めるという。

パンダのファンはもちろん海外にいるパンダのことも忘れていない。海外のパンダは友好の使者の役割を担うだけでなく、かわいいイメージで多くの観光客を呼び込み、「パンダブーム」を起こし、現地の観光と経済の発展に一役買っている。

「熊猫三宝」が韓国エバーランドに活気

「K-POPアイドルのことは忘れよう。今年『一番かわいい子』の初登場だ」。2021年1月、韓国で生まれたパンダ「福宝」が初めて一般公開される時、韓国紙「中央日報」はこんな見出しで報道した。生まれた時から注目度が非常に高いこのパンダの赤ちゃんは、多くのネットユーザーから「養成系アイドル」とユーモアを交えて呼ばれている。誕生以降の重要なタイミングはすべて記録され、数えきれないほどのファン達が200グラムにも満たない赤ちゃんパンダから、現在のようなエネルギッシュでひょうきん者の「女の子」へと成長する様子をずっと見守ってきた。

「福宝」の1歳の誕生日に、韓国のテーマパークのエバーランドはファンに呼びかけて「福宝コンテスト」を開催した。参加者は「福宝」の手芸品、漫画、歌などのオリジナルコンテンツをアップすることができる。コンテストでは全部で855作品が寄せられた。また、アニメキャラクター「熊猫三宝(三つ子のパンダ)」は韓国の人気動物バラエティー番組「TV動物農場」にたびたび登場し、今や韓国では知らない人のいない動物界の大スターだ。エバーランドはクラウドファンディングの衆筹網のサイトでこの「熊猫三宝」グッズのクラウドファンディングを行い、これまでの数回はすべて目標値以上を達成。「福宝」マークの入った日記帳の企画では3900万ウォン(約394万円)が集まり、目標額の20倍近くに達した。

韓国メディアの報道によれば、エバーランドがある韓国の龍仁市は観光PRでパンダの果たす役割を重点的に取り上げたことがある。当時の市長は「福宝」の飼育員に「観光振興功労者」のメダルを贈り、パンダの繁殖によって現地の観光産業の発展に大きく貢献したとたたえた。

上野動物園のシャンシャン1頭で侍ジャパンと並ぶ

東京の上野動物園で生まれた「シャンシャン(香香)」は、2月21日にチャーター機で故郷の中国・四川省に帰り、多くの日本人が涙ながらに見送った。実際、シャンシャンは17年6月の誕生以来、日本人の愛情をたっぷり受けてきた。

テレビ東京の報道によれば、シャンシャンは生まれてから100日目に一般公開され、当時は観覧希望者が多すぎて、抽選に当たった人しか観覧できず、当選確率は一時144分の1に達した。17年の同園の来園者は前年比で17%増加し、18年は同約10%増の延べ約340万人だった。園周辺の商業施設も大きな恩恵を受けた。関連グッズを販売していることから、インフォメーションセンターの上野案内所も人気のスポットになった。

関西大学の宮本勝浩名誉教授は、「シャンシャンがもたらした経済効果はおそらく600億円から650億円になるだろう」との見方を示した。比較してみると、野球日本代表(侍ジャパン)が第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での優勝は、約650億円の経済効果をもたらすとの試算がある。しかし侍ジャパンには約30人の選手がいるが、「香香」はたった1頭でほぼ同じ経済効果をもたらすのだ。

スコットランド「パンダとお別れ」グッズがあっという間に売り切れ

スコットランドのエディンバラ動物園で暮して12年になる「陽光」と「甜甜」が、今年10月末に中国に帰ることになった。お別れを記念して発売されたグッズはあっという間に売り切れたという。

11年1月、2頭は機体にパンダがペイントされた専用機「FedEXパンダエクスプレス」に乗って英国にやって来た。同園で暮すようになると、現地の飲食産業と観光産業に大きなリターンをもたらした。同園のまとめた統計では、2頭がやってきた年に年間来園者数はそれまでの約53万人から81万人に増加した。それから10年間、同園はスコットランドでエディンバラ城に次いで観光客の多い人気スポットになった。

スコットランド王立動物学会の最高責任者のデビッド・フィールド氏は、「『陽光』と『甜甜』は英国唯一のペアのパンダで、100万人単位の人が2頭を見にやって来たことは、このあたりの野生動物保護基金にとって直接的な大きなサポートになった」と述べた。

やや残念なことに、同園のたびたびの努力にもかかわらず、「陽光」と「甜甜」は次世代を産み育てることはできなかった。経済的観点から見ると、パンダの赤ちゃんは現地に少なくとも4800万ポンド(約77億円)の利益をもたらすことになる。フィールド氏は、「2頭のパンダは生物多様性を保護することがどれほど困難で貴重なことであるかを外部の世界に伝えるものであり、生態保護の重要性を人々に認識させるものだ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)




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