悠久の交流の歴史を紡ぐ、日中相互理解と友好協力を積極推進―奈良県知事インタビュー

人民網日本語版    2023年3月26日(日) 6時0分

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人民網は奈良県で荒井正吾知事にインタビューした。

日中両国は一衣帯水の関係にあり、さまざまな分野やレベルで友好協力関係が全面的に深く発展している。47都道府県には産業、観光、文化などの面においてそれぞれ個性と魅力を有した特色がある。いかにして日中の地方間交流推進を通じて、両国の協力発展のために新たなチャンスを生み出すのか?日本の地方のそれぞれの資源発掘を通じ、いかに中国各地と双方の強みによる相互補完となりうるか?このような視点に立ち、人民網日本株式会社では「中日協力の新たなチャンス――日本都道府県知事シリーズインタビュー」を企画。47都道府県の知事を訪ね、独占インタビューを展開する。人民網が伝えた。

奈良県は日本で最も中国と縁の深い地域だ。1300年前、日本の首都だった「平城京」がつくられたのはまさにこの地だ。平城京は当時の唐の都・長安城を模して建造された。その影響で多くの文化が奈良、ひいては日本全体に伝来した。今日では、多くの文化史跡・遺跡が中国人観光客の好む観光スポットとなり、日中友好交流の歴史を伝えている。先ごろ、人民網は奈良県で荒井正吾知事にインタビューした。

歴史を紡ぐ、日中友好と交流協力を積極推進

荒井知事は、奈良県と中国の関係について、「1300年前の奈良と中国の交流が、今日の奈良、ひいては日本の基礎を形成した」と述べた。そして、時代の変遷をたどり、両国関係は紆余曲折を経ながらも、日本と中国は終始隣国であり、このグローバル時代では、お互いが違いを認めながら共通の利益を追求する際、この歴史の中から経験を積み、教訓を得るべきだという考えを示した。さらには中国の地方政府や機関との交流を通じ、「両国間で絶え間なく続いてきた友好交流関係を後世に継承し、発展させたい」と語った。

2008年11月、荒井知事率いる一行が陝西省を友好訪問した。訪問期間中、荒井知事は陝西省に対し友好提携締結を申し入れ、陝西省もこれに賛同した。2009年4月に双方は「中華人民共和国陝西省と日本国奈良県の友好県省関係の発展に関する覚書」を結び、経済、科学技術、文化遺産保護、文化教育、観光などの分野での交流と協力を展開することで合意に達した。

奈良県は特に陝西省との青少年交流に力を入れている。「次世代養成事業」の一環として、将来の国際交流、友好交流を担っていく国際性豊かな青年の養成を目的として、2013年から新型コロナウイルスが流行する前の2019年まで、毎年6~10人の国際交流や異文化理解に関心のある青年を、陝西省へ派遣してきた。その他、奈良県と陝西省の間で、小・中学生で構成される選抜選手団をお互いの国へ派遣する事業を展開し、青少年のスポーツ分野での交流を通じて、競技レベルの向上を目指すとともに、青少年間での友情の構築、文化・社会の相互理解を深める取り組みを行ってきた。

応接室に飾られた清華大学の記念プレート

また、2019年に奈良県と清華大学は包括交流に関する覚書を取り交わすことに合意し、学術研究および教育の推進、文化・芸術の向上および振興、産業の振興、人材の交流および育成などの事項に関する覚書を締結した。2022年9~12月には、清華大学と奈良県は合同で、清華大学芸術博物館において、「中日交流二千年 アジアをつなぐ美と精神」展と題した展覧会を開催し、日中両国の交流の歴史を物語る貴重な作品、文物が展示された。同年12月および2023年2月には、日本で、奈良県×中国・清華大学連携フォーラム「中日交流二千年のあゆみと展望」および「中日交流二千年 アジアをつなぐ美と精神」展の記念シンポジウムなどのイベントを開催した。

歴史のバトンを受け継ぎ未来を切り開く、地方都市間交流の推進

8世紀初め、現在の奈良県につくられた平城京は、東アジアを中心とするユーラシア各地のさまざまな文明を受け入れて誕生した。奈良時代における日本と中国との交流により、日本の礎を築くことができたという感謝の気持ちから、2010年には、平城遷都1300年記念事業の中核の一つとして、奈良県が提唱し、中国、日本、韓国の地方政府を中心とする「東アジア地方政府会合」が設立された。

荒井知事は、「中国は非常に大きな国で、地方ごとの特色が鮮明だ。奈良県はマルチラテラルな付き合いを、中国各地の地方政府と展開する必要がある」との見方を示し、「奈良県は他の国の地方政府との交流を通じ、例えば共通して直面している地方振興、社会保障などの問題に対し、お互いが学びあうことにより、地方政府が地域を振興させる役割を発揮していく」とした。

長年の努力と発展を経て、今では中国の18地方政府、日本の38地方政府を含む7カ国75地方政府が参加する「東アジア地方政府会合」は過去11回開催されている。第12回東アジア地方政府会合は今年、中国の臨沂市での開催が予定されている。荒井知事は、「共通して直面する課題の討論を通じ、地方政府の行政能力を高めると同時に、友好と信頼の関係を深めることで、国家間の外交において補完的役割を果たすことを目指している」とした。

世界遺産の都、中国への理解を深める重責を担う

日本最初の世界文化遺産「法隆寺」

奈良県には「古都奈良の文化財」「法隆寺地域の仏教建造物」「紀伊山地の霊場と参詣道」という3件の世界遺産があり、その数は全国1位だ。荒井知事は、「県内4件目として、『日本国』誕生と国家形成の過程を証明できる『飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群』の2025年世界文化遺産への登録を目指している」と語った。

荒井知事は特別に唐招提寺にも言及した。「古都奈良の文化財」の一つである唐招提寺は、日本の要請に応える形で、幾多の苦労の末、唐から日本に渡った高僧・鑑真和上によって創建された。そして来日に伴い、鑑真和上は当時の最先端の文化を多く日本にもたらした。「現在は日本人だけでなく、多くの中国人観光客が奈良に来て、唐招提寺に参拝している。唐招提寺は日中友好の証だ」とした。

荒井知事は、「奈良と中国は深い交流の歴史があり、その歴史的背景があるが故に、奈良県は中国への理解を深める活動、事業を行いたい」という考えを示した。さらに、およそ100年前には、世界的に中国を最も深く理解していた内藤湖南という学者が奈良の近くに住んでいたことを紹介し、「昨今の揚州市の大明寺との交流、あるいは東アジアの地方政府との交流も、中国をどのように理解すべきかについて考え、奈良県が中国理解に役立つ貢献の一端を担えればという気持ちで行っている」と語った。

人民網のインタビューを受ける奈良県の荒井正吾知事

荒井知事はインタビューの最後に、「奈良県には中国との縁の深い魅力的な歴史文化資源が多くあると同時に、さまざまなおいしい食べ物、そしてバラエティーに富んだ宿泊施設も多くあるので、ぜひ奈良県にお越しください」と中国の人々を歓迎するメッセージを伝えた。(提供/人民網日本語版

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