年間2万人が韓国国籍を捨てる、その理由は?

Record Korea    2023年3月21日(火) 23時10分

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18日、韓国・中央サンデーは「『ヘル朝鮮で暮らすより脱朝鮮』、年間2万人が韓国国籍を放棄」と題した記事を掲載した。資料写真。

2023年3月18日、韓国・中央サンデーは「『ヘル朝鮮で暮らすより脱朝鮮』、年間2万人が韓国国籍を放棄」と題した記事を掲載した。

法務部によると、2012~22年に26万2305人の韓国人が国籍を喪失または離脱した。国籍放棄者は、移住などで外国国籍を取得し後天的に国籍を喪失する「国籍喪失者」と、先天的に複数国籍を取得したのち兵役などの理由から外国国籍を選択する「国籍離脱者」に分けられる。この11年間、平均約2万人ずつが韓国国籍を放棄したことになる。18~22年に韓国国籍を喪失・離脱した人の新たな国籍は米国(56.2%)、日本(14.8%)、カナダ(13.6%)の順で多いという。

国籍は韓国のままだが、生活の場を外国に移す人も多い。結婚、養子縁組、就職、事業などで長期滞在ビザを取得する海外移住者も毎年増加傾向にある。1980年代、海外移住申告者数は年間3万人を上回ったが、韓国が先進国の仲間入りを果たすと、2000年は1万5000人、14年には249人と減少していった。その後、セウォル号沈没事件や景気低迷などで「地獄よりつらい韓国社会」を皮肉った「ヘル朝鮮」という言葉が登場。この時を機に韓国社会から離れる人が再び増え始めたという。19年に海外移住者数は約4000人台を記録し、20~21年は新型コロナウイルスの影響で停滞したが、昨年からまた増加を見せている。

海外移住を準備中の人、実行した人は、「韓国ほど暮らしやすい国はないが、韓国社会にはもはや希望がない」と口をそろえるという。記事は「矛盾した言葉だが、韓国社会の矛盾から派生したものだ」「過去数十年間で韓国社会は成長したが、成長過程で正されることのなかった問題が今も残っている」と指摘している。ある米国居住者は「親の世代までは『今はつらくても明るい明日がある』という希望があったが、今は自分の能力、努力に見合った補償を得られない時代だ」「だから『ヘル朝鮮』という言葉が生まれ、努力が認められる海外へ出ていこうという雰囲気が広がった」と話している。

「韓国=ヘル朝鮮」という認識は統計にも表れていると、記事は指摘する。統計庁によると、過去3年間の韓国の暮らしの満足度平均(10点満点)は5.9点で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最下位圏にとどまるという。暮らしの満足度自体はこの10年間、上昇傾向にあるが、他国と比べると暮らしの質が低いという認識が広がっているという。韓国ギャラップのアンケート調査によると、回答者の34%が「条件さえ充たせれば他国で暮らしたい」と答えている。

また、「韓国社会が結婚、妊娠・出産、子育てに適合しないという認識が、ますます海外移住をあおっている」とも記事は伝えている。ある米国在住者は、韓国の未来に確信が持てないため子供には米国市民権を与えたいといい、「後退する韓国ではなく成長する米国を選ぶのが正しい」と話している。2年前に韓国に戻ったというカナダ永住権者も、子供の教育のことで海外移住を再考しているという。

さらに記事は「共同体を重視する韓国社会特有の文化も自由と公正を求める人たちには受け入れ難い部分だ」としている。米国移住を準備中だという若者は、「韓国社会では暮らしの質を上げることが難しい。ストレスレベルの高い社会人生活、年齢に対する圧迫、『特異な人』に向ける社会的視線など、無駄なストレスを受けたくない」と話す。海外に就職先を求める人も増えており、韓国産業人力公団によると、13年には1600人台だった海外就職者数が、昨年は5024人まで増加したといいう。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「海外生活も大変だけど、ヘル朝鮮よりましな所は多いからね」「韓国人として生きても何の恵沢もないのだから、国籍を放棄するのも理解できる。韓国人として生きる長所って一体何だ?」「先進国に暮らし、世界の舞台で生きる方がいい。韓国は本当にビジョンが見えない国だ」「それだけの力があって移住できるのならした方がいいと思う。自分は10年前にすごく悩んで移住を決めたけど、今は良かったと思ってる」など、移住賛成意見が寄せられている。

一方で、「出ていくのはかまわないが、好きな時に都合良く戻れないようにしてもらいたい」「移住するなら病気やけがの時だけ帰国しないで現地の病院にかかってくれ」「年を取ってから、老後の恵沢を狙って帰ってこようと思わないでほしい」など、移住者への批判的なコメントも多く見られた。(翻訳・編集/麻江)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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