中国サッカー界に「黒い霧事件」、ナショナルチーム経験選手も次々に連行

Record China    2023年3月19日(日) 15時30分

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中国サッカー界に衝撃が走っている。賭博などの疑いで多くの一流選手が警察に身柄を拘束されたからだ。写真は身柄を拘束された一人である秦昇選手。

中国サッカー界に“激震”が走っている。賭博などの疑いで多くの一流選手が警察に身柄を拘束されたからだ。一部報道によると、賭博に絡んだ八百長試合の疑いもある。まさに、かつて日本のプロ野球界で発生した「黒い霧事件」が中国サッカー界で再現されている状況だ。

中国の「サッカー界の汚染」については当初、2022年秋ごろから男子サッカーナショナルチームのコーチ経験者や中国サッカー協会幹部などに対して取り調べが行われた。そして中国のポータル/情報サイトの騰訊網によると、17日になり、警察当局が現役選手6人の身柄を一斉に拘束するなどで、事態は一気に緊張の度合いを高めた。

身柄を拘束された選手の中には、ナショナルチームの一員である秦昇選手や金敬道選手、ナショナルチームの一員になった経験がある矯哲選手なども含まれている。

事件が発覚したきっかけになったのは、ある女性が、やはりナショナルチームの一員である呉興涵選手に金銭をだましとられたとして、呉選手とのチャット記録やその他の資料を関係当局に提出したことだった。

騰訊網は、仮に選手が賭博だけに関わっていたのなら処分はやや軽い可能性もあるが、八百長に関連していた場合には、終身出場停止になるのはほぼ確実であり、さらにコーチなどの仕事も認められない、サッカー界からの「永久追放」になる見込みと紹介した。

国家体育総局の高志丹局長は、3月17日以前の段階で、「今回は、サッカーに関わる問題を断固として取り締まる」と明言していた。高局長は中国の男子サッカーについて、「ここ数年来、成績を向上させるどころか、逆に成績を下げた」と指摘した上で、「しかも、道徳の最低ラインを踏み外していた。これでは、中国の全国民が許すことができない」とも述べていた。

高志丹局長

ポータル/情報サイトの捜狐によると、中国東北地方のサッカーのあるベースキャンプでは、17日早朝に捜査当局が複数の選手を連行した。別の土地からやってきた捜査チームが前日に現地入りして、地元警察と綿密に打ち合わせをして準備を整えた上で行動したという。

捜査担当チームと現地警察の協力チームは午前4時にベースキャンプに到着して捜査を開始した。ベースキャンプの警備員は、騒がずに捜査に協力するよう要求され、警備員の携帯電話も一時的に捜査チーム側が保管した。また、キャンプ内にいた選手やコーチ、さらにクラブ関係者の全員が起こされて、捜査チーム側から「教育」を受けた。一部選手が連行されたのは午前5時ごろで、手錠をかけられていたという。

中国の「サッカー界汚染」は実は、日本のかつての「黒い霧事件」以上に広範囲で複雑な様相を呈している。サッカー界の管理に絡む汚職事件の側面があるからだ。この方面は、政治家や企業家の不正を摘発する中国共産党と政府による紀律検査及び監察委員会の部門が担当しており、処罰が確定した事例もある。賭博や試合における八百長については、警察当局が違法行為による事件として捜査を進めている。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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