中国政府の2023年中央1号文書に「ミミズ」登場、農業発展における生物多様性に注目

Record China    2023年3月18日(土) 9時0分

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中国政府の2023年中央1号文書に「ミミズ」が登場。生物多様性の農業発展における役割に注目している。

中国政府の2023年中央1号文書に「ミミズ」が登場した、と国営メディアが報じた。ミミズがいる土壌は健康とされ、「耕地の中のパンダ」と称される黒土の盗掘と並んで「ミミズの電気捕獲などの土壌破壊行為を厳しく取り締まること」を明記。生物多様性の農業発展における役割に注目している。

中央1号文書は中央政府が毎年の年初に発表する1件目の文書。ここ数年は共産党中央と国務院(内閣)の農村問題を重視する姿勢を専門に示す「固有名詞」になっている。

1982年から86年まで党中央は5年連続で「三農(農業・農村・農民)」をテーマとする1号文書を発表して、農村改革と農村発展の具体的な計画を打ち出した。2004年から22年にかけても、19年連続で「三農」をテーマとする文書を発表。23年も前年に続いて「三農」をテーマとする文書となり、「三農」問題が中国の最重要事項であることを示した。

中国網によると、中国は土地が広く、土壌の種類が多様で、それぞれのメリットがあると同時に、生態問題も存在する。農作業が長期行われる中で、土壌が「休息」できなければ、有機質の低下が速く、退化が深刻化するという現象が生じる。

ミミズは「生態系エンジニア」と称され、土壌の物理構造に影響を与える。また、土壌の物理構造は水の浸透力に影響するため、全体の質にも影響し、土壌の質は植被と農作物の生長と生産に関わる。

河南大学学術副校長で大別山森林生態系国家野外科学観測研究所所長の傅声雷氏は「国家食糧安全を保障するためには土壌の保護を強化し、さまざまな土壌修復措置を講じ、土壌の質を高める必要がある」と強調。「ミミズは植物に有害な寄生性線虫の生長を抑制し、防除する効果がある」とした

傅声雷氏は「土壌にミミズがいなければ、土壌生態系の食物連鎖に重要なものが欠けていることになる」と言及。「食物連鎖の中の一つでも欠けていれば別の種が多い可能性があり、ミミズがいない土壌は有害な寄生性線虫の数が多く、植被と作物に害が及ぶことも考えられる」「ミミズの有無だけで土壌の質を判断することはできないが、通常、ミミズがいる土壌は比較的健康だと言える」と説明した。

さらに中央1号文書は「農村部では過度な地力消耗がよく見られ、長年にわたり同じ土地で同じ作物を育て、ある微量の元素が消耗され続け、土壌の質が低下し、作物の生産量と質も低下するという状況が存在する」と注意を喚起。「そのため、輪作という方法で土壌資源を最適化利用することが最も望ましい。」と呼び掛けた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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