中国の科学技術が西側を脅かせない理由、仏専門家が分析―仏メディア

Record China    2023年3月17日(金) 9時0分

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15日、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナルは15日「中国の科学技術はどうして西側の脅威にならないのか」とする記事を掲載した。

2023年3月15日、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナルは15日「中国の科学技術はどうして西側の脅威にならないのか」とする記事を掲載した。

記事は、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が2日、動力用バッテリー、5G通信、ブロックチェーン、合成生物学など重要な新興技術44分野のうち37分野で中国が世界をリードし、高性能計算、量子コンピューター、小型衛星、ワクチンなどの分野では米国がリードしているとの調査結果を発表するとともに、世界10大研究機関が全て中国にあることを指摘し「西側民主国家は世界の技術競争で力を失いつつある」と警鐘を鳴らしたことを紹介した。

そして、この報告に対して「西側諸国において、経済的に中国に追い抜かれ、民主国家の存亡に関わるリスクに直面することに対する恐怖が強まっていることの表れ」との見方が出る一方で、アカデミー・フランセーズイノベーションセンターの教授で経済学者のフィリップ・アギオン氏がフランスのビジネス週刊誌に寄稿した文章の中で「これまで中国の成長は他者を追いかけることで実現してきた。そしてまた、より自由でオープンにならない限り中国は完全に独立したイノベーション型経済国、技術分野のリーダーになることはできない」という、西側諸国にとっては「あまり悲観的ではない見方」を示したと伝えている。

記事によれば、ASPIの報告でも中国の先進的な科学者の2割は「ファイブ・アイズ」加盟国の教育を受けているとの指摘がある一方で、光子センサーや量子通信の分野では中国の研究力が西側を上回る可能性があり「中国の科学研究の優位性は現時点で技術的な優位性に転化されていないが、そのための基礎固めは済んでおり、一部の分野では中国が発表した論文の世界トップクラスの研究論文に占める割合が65%に達している」との分析がなされていたという。

しかし、アギオン氏はASPIの分析に対して「彼らの研究は中国が技術面で米国を追随する勢いを証明するものだが、一方で中国が今後長い時間引き続き西側に依存するという見方を一層強めるものだった」と述べている。記事は、アギオン氏が「各分野でトップレベルとされる学術誌のさらに上位5%にフォーカスして観察した場合、中国の科学技術が西側を猛追しているという結論は断片的なものになり、米国の著者との共同執筆を除けばその勢いはますます弱くなる。中国の研究者は米国との協力を必要としているが、米中間の研究協力は逆に疎遠になりつつある」と指摘したことを伝えた。

アギオン氏はさらに、自身が所属する同センターの研究者が実施した工業所有権に関する作業により、ブロックチェーン、コンピュータービジュアル、ゲノム編集、水素エネルギー、自動運転車など大多数の技術分野で中国が米国に大きく依存していることが浮き彫りになったとし「米国に依存しない完全に新しいイノベーション経済国になるために、中国はよりオープンにならなければならない。それができなければ、閉鎖的な姿勢で経済の活力を殺す『アルゼンチン症候群』に陥りかねない」と論じている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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