北朝鮮、深刻な食糧不足に=「致命的な悪化の瀬戸際」と専門家警告―米メディア

Record Korea    2023年3月11日(土) 13時0分

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今年になってもミサイル発射を繰り返す北朝鮮が国内で深刻な食糧不足に見舞われていると、米メディアが報道。専門家は「致命的な悪化の瀬戸際」と警告した。写真は中朝国境。

今年になってもミサイル発射を繰り返すなど米国や韓国を意識した挑発を続ける北朝鮮が国内で深刻な食糧不足に見舞われていると、米CNNが報じた。専門家は「既に1990年代の飢饉(ききん)以来となる最悪の状況に達している」と指摘。「致命的な悪化の瀬戸際」と警告した。

CNNによると、「苦難の行軍」として知られる90年代当時の飢饉では、数十万人の餓死者が出た。これは当時の人口2000万人強の3~5%と推計される。ピーターソン国際経済研究所の調査アナリスト、ルカス・レンヒフォケラー氏は貿易データや衛星画像、国連および韓国による評価から北朝鮮の食糧供給が現時点で「人間に最低限必要な量を下回っていることを示唆する」と明らかにした。

韓国の当局者らもこうした評価に同意する。同国政府は最近、北朝鮮の一部地域で餓死者が出ているとの見解を発表していた。国が孤立状態にあるため、これらの主張を裏付ける確たる証拠を得るのは困難だが、評価自体に疑義を呈する専門家はほとんどいない。

今後の見通しについて、レンヒフォケラー氏は仮に食糧が国民に平等に配分されても「飢えに関連する死者は出るだろう」と危惧。CNNは「元々エリートと軍が優先される北朝鮮で、そうした措置が取られることはほぼ考えられない」との見方を示した。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前の段階でさえ、北朝鮮の人口の半数近くは栄養不良の状態に陥っていたと国連食糧農業機関(FAO)はみている。感染対策を念頭に置いた3年にわたる国境の封鎖と隔離状態は、事態を悪化させただけだった。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は2月末、4日間の日程で党中央委員会総会を開催し、国内の農業部門の強化について議論。農業と国の経済計画の「根本的な転換」を求め、農業に対する国の統制の強化が必要だと訴えた。

しかし、多くの専門家は「問題の原因は北朝鮮政府自体を除いて存在しない」と言及。その理由としてはパンデミックの期間中、北朝鮮はその孤立主義的傾向を一段と強め、数少ない国境貿易の窓口だった中国との国境も厳重に封鎖したことを挙げた。

韓国の朴振(パク・チン)外相はCNNのインタビューに答え、「北朝鮮がこの難局から抜け出せる唯一の方法は、対話のテーブルに復帰し、われわれの人道支援に関する提案を受け入れ、将来に向けたより良い選択をすることだ」と強調。韓国統一省も「北朝鮮政府が引き続きミサイルと核兵器の開発プログラムに注力し、自国民への食糧供給を二の次にしている」と非難した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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