米国港湾で操業中の中国製クレーンはスパイツール?「トロイの木馬」とも―米紙

Record China    2023年3月11日(土) 5時0分

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米国の湾港で操業している中国製のコンテナクレーンがスパイツールとして使われる可能性があると米紙が報道。一部の安全保障当局者は中国製クレーンを「トロイの木馬」になぞらえている。

米国の湾港で操業している中国製のコンテナクレーンがスパイツールとして使われる可能性があり、米国政府が対策準備に乗り出した、と複数の韓国紙が米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事を引用して報じた。一部の安全保障当局者は中国製クレーンを「トロイの木馬」(悪意あるソフトウエア)になぞらえているという。

WSJによると、米軍もよく利用する湾港に多数配置され、船舶にコンテナを載せたりする中国上海振華重工(ZPMC)製のクレーンにはコンテナの出所や目的地を登録し追跡できる高度なセンサーが搭載されている。中国がこれを通して米軍が海外の作戦に動員する物資などの情報を収集する可能性があるとされる。

ZPMCは西側の企業よりも安い価格でクレーンを販売し、世界市場のおよそ70%を占めている。米国の港湾で用いられるクレーンのうち、ほぼ80%がZPMC製だ。2017年には同社の宋海良会長(当時)がマイクロソフト社のホームページに掲載された動画で「上海本社のオフィスを通してすべてのクレーンをモニターできる」と語った。

一部の米国湾港では中国人技術者が2年分米国ビザの発行を受けて直接技術を提供している。ZPMCが中国が主導する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」で先導的役割をしている国営企業「中国交通建設(CCCC)」の子会社であることも懸念される点だ、とWSJは伝えた。中国軍が遠隔操作でクレーンの動作を停止させたら、海軍力を動員せずとも米国の港湾をまひさせることができるという恐れまで取り沙汰されている。

米国高位防諜官僚出身のビル・エバニナ氏は「クレーンは新たな華為(ファーウェイ)になり得る」と警戒。港湾クレーン事業を「合法的な事業とそのふりをした秘密裏での情報収集活動との完璧な組み合わせ」と描写した。最近2年間でバージニア州ノーフォーク、サウスカロライナ州チャールストン、メリーランド州ボルチモアなど、近くに米軍基地がある港湾で新たにZPMC社のクレーンを購入しており、米安全保障当局の懸念は一段と大きくなった。

これに対して米国内の幾つかの湾港はZPMC製クレーンのソフトウエアをスイスABBソフトウエアに差し替え、ジョージア州サバンナ港などはフィンランド企業コネクレーンズ製品を利用している。

米国領空を侵犯し撃墜された「偵察気球」に続いて浮上した中国製クレーンをめぐる疑惑について、在米中国大使館関係者はWSJに「被害妄想に突き動かされたものであり、対中貿易と経済協力を妨害しようとする試みだ」と反論。「『中国脅威』論を流すのは無責任であり、米国自身の利益を損なうことになる」などと主張した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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