風力・太陽光発電の累計設備容量が7億kW突破、応用の新たなシーンが拡大―中国

人民網日本語版    2023年3月1日(水) 23時30分

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長年の事業展開を経て、中国の風力・太陽光発電産業の競争力が大幅に向上した。

中国の太陽光発電産業は2022年、輸出総額は前年比80.3%増の512億ドルを超え、国際市場での存在感が高まった。長年の事業展開を経て、中国の風力・太陽光発電産業の競争力が大幅に向上した。太陽光発電モジュール、風力発電機、ギアボックスなどの重要部品の世界市場シェアが70%に向上した。中国国内でも風力・太陽光発電は新規発電設備容量・新規発電量の主体になっており、22年の割合はそれぞれ78%と55%以上に達した。累計設備容量は7億kWを突破し、三峡ダム水力発電所30個分以上に相当する。人民日報が伝えた。

旺盛な需要 風力・太陽光発電製品の生産が活況

陸上風力発電と比べると、洋上風力発電は平均利用時間がより長い上、土地を占有せず、電力消費量が多い地域に近いことから、未来の展開方向となっている。この市場の流れに対して、中材科技風電葉片は22年、沿海部の2カ所の工場で120メートル級ブレードの生産ラインを6本展開した。同社の荘琴霞会長は、「120メートル級ブレードの受風面積は標準的なサッカーコート7面分に相当する。フル稼働時の1回転の発電量は3人家族の約7日分にのぼる。この台風に強いブレードは需要が旺盛で、すでに24年まで注文が入っている。さらに一部の海外取引先が事業提携を模索し訪問している」と説明した。

閑散期も忙しい。太陽光発電企業もこれを実感している。陝西省咸陽市に位置する隆基緑能の敷地面積13.3ヘクタール以上のモジュール工場が生産に勤しんでいる。工場の責任者である祁冀氏は、「現在の計画中の生産量から見ると、今年の需要は昨年を2.5GW上回る見込みだ。生産能力の利用率も9割以上に達するだろう」と述べた。モジュールの旺盛な需要は、川上のシリコン半導体や太陽電池などの生産拡大を牽引している。モジュール工場は40キロメートル離れた場所にある。投資総額が452億元(約8814億円)を超える太陽光発電生産拡大プロジェクトも間もなく着工する。年間でシリコン半導体を100GW、太陽電池を50GW生産する見込みだ。

中国太陽光発電業界協会が発表したデータによると、太陽光発電産業チェーンの各部分の生産量が22年、再び記録を更新した。多結晶シリコン、シリコン半導体、太陽電池、モジュールの生産量はいずれも前年比55%を上回った。業界の総生産高は同95%以上増の1兆4000億元(約27兆3000億円)を突破した。太陽光発電モジュールの生産量は16年連続で、新規設備容量は10年連続で世界一を維持した。

生産ラインが忙しく、受注が旺盛な裏には、風力・太陽光発電業界の発展への市場の期待によるものだ。今年に入り多くの重点プロジェクトの建設ペースが加速している。クブチ砂漠では世界最大規模の砂漠地帯風力・太陽光発電拠点プロジェクトが施工中で、投資総額は800億元(約1兆5600億円)を超える。広東汕頭国際風力発電イノベーション港産業プロジェクトの契約が交わされ、着工した。規模は約300億元(約5850億円)。福建漳浦六鰲洋上風力発電2期プロジェクトが着工し、初めて16MW以上の大容量洋上風力発電機を大量採用した。中国電力企業連合会が発表した報告書によると、23年末の中国全土の風力発電送電量は4億3000万kWに、太陽光発電送電量は4億9000万kWに上り、太陽光・風力発電の設備容量が初めて水力発電を上回る見通しだ。

融合発展で産業の新空間を開拓

耐用年数が25年以上で、最大61.2m/s以上の強い台風に耐え、洗浄ロボットが自動で洗浄を行う。京能国際建築物一体型太陽光発電(BIPV)プロジェクト(浙江省嘉興市)が、発電するスーパー屋根を設置した。従来の屋上にソーラーパネルを設置する方法と比べると、ここの屋根そのものが内板、断熱材、外板、太陽光発電層を一つにしている。

隆基緑能の鍾宝申会長は、「BIPVは真に太陽光発電を建築物の一部にすることができる。架台に設置するのと比べると通路を確保する必要がない。これは同じ屋上面積でもより大容量のモジュールを設置できることを意味し、発電量が約15%上がる。新築の際にBIPVを積極的に推進する以外にも、古い建築物の屋根のリフォームにも潜在的な大きな市場がある」との見方を示す。

工業や建築などの分野だけでなく、幅広い農村も新エネ産業の発展に巨大な空間を提供している。

内モンゴル自治区通遼市花吐古拉嘎査党支部書記の包宝音吐氏は、嘎査で建設された総合スマート新エネプロジェクトについて、「以前は牛小屋の照明の電気代が1カ月で300元以上かかっていた。屋根にソーラーパネルを設置してからは電気代を大きく節約できている」と評価した。

国家電力投資集団は22年、現地で11MW太陽光発電、8MW風力発電、100世帯用太陽光発電プロジェクトを建設した。プロジェクト責任者の孫文氏は近くの太陽光発電所を指さし、「あそこは放置されていたアルカリ性土壌だったが、これを借りた後に土壌改良を行い、蕎麦を栽培する村人に無償で委託した。ソーラーパネルの上で発電し、その下で栽培する。村には毎年さらに10数万元の地代が入る」と述べた。

「太陽光発電+砂漠化対策」「新エネ+水素エネルギー」「新エネ+蓄エネ」など、より多くの「新エネ+」応用プロジェクトの建設が進められている。国家エネルギー局の関係責任者は、「第14次五カ年計画(2021−25年)期間中は多元的融合に焦点を当て、太陽光発電砂漠化対策、太陽光発電回廊、洋上風力発電と海洋油ガスの深い融合発展、再生可能エネルギーによる大規模な水素製造などのモデル事業を重点的に展開する。各品種の相互補完、マルチシーンの総合発展の新スタイルを模索する」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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