2023年2月28日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国経済を楽観視するのは時期尚早と論じたドイツメディアの報道を紹介した。

記事は、2022年の経済成長率が3％と低迷した中国経済について多くのアナリストが23年の成長率を5％と予測する中、独紙「南ドイツ新聞」が評論記事の中で「中国経済はすでに最悪の状況からは脱したものの、全ての憂慮を楽天的に捨てるのは時期尚早だ。今なお解決が必要な難題がたくさん俎上（そじょう）にある」と評したことを伝えた。

そして、同紙が評論の中で不動産、輸出、国内消費の三つを大きな難題に挙げ、不動産では政府による厳しい融資規制により業界全体が危機に陥り、その後政府が政策を緩和するも回復の兆しが見えず、かつてのように中国の経済成長を支える大きな柱に返り咲くかについては「疑問符を打たなければならない」と指摘、輸出についてはウクライナ戦争とインフレで世界経済が以前低迷していること、米中間の対立が激化していることを挙げ「中国が世界の工場でいられる時間はもはや長くないようだ」と論じたことを紹介している。

さらに、国内消費についても、実質的な賃金がすでに長期間にわたって大幅に上昇しておらず、若者の失業率が高止まりしている状況では国民の消費意欲を再びかき立てることは難しいとし、文章の最後に「サービス業では回復の兆しが見られるものの、まず去年1年間の損失を埋めなければならない。そして、次の感染ピークのリスクも低く見積もるべきではない」と指摘したことを伝えた。（翻訳・編集/川尻）