孔鉉佑大使お疲れ様でした パンダとトキ 友好・理解・共同

小島康誉    2023年2月27日(月) 14時0分

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中国の孔鉉佑駐日本国全権大使の離任レセプションが24日、東京のホテルニューオータニで開催された。

中国の孔鉉佑駐日本国全権大使が2月末に離任される。その離任レセプションが中国大使館主催で24日、東京のホテルニューオータニで開催され、出席してきた。司会は楊宇公使。孔大使は「2019年5月に駐日本第12代大使として赴任し、3年9カ月にわたり中日関係における多くの重要な意義ある歴史的出来事を経験し、各界の多くの方々から貴重な友情を賜り、忘れがたい一生の思い出をたくさん残すことができました。別れの時、友人皆さんを見て、過去が次々と浮かび上がってきました。赴任直後の重要任務は習近平主席のG20大阪サミット出席、これは中国の国家主席の9年ぶりの訪日で、重要な意義がありました」と話し始められた。

そして、新型コロナでは「山川異域・風月同天」のように日中が手を携えた、東京と北京のオリパラも相互支持で成功させた、両国首脳の戦略的指導の下で双方はさまざまな分野で政治的・外交的交流を強化してきた、コロナ禍で不足した交流と対話を促進することが重要、4つの政治文書の精神で戦略的長期的に両国関係を把握すれば新時代の両国関係を築くことができることなどを、流ちょうな日本語で力強く話され、内外各界800人ほどの参加者から盛大な拍手が沸き上がった。孔大使のあいさつ全文は中国大使館HP(25日時点では中文版にのみ)に掲載されている。

孔大使は1959年黒竜江省生まれ。上海外国語学院で日本語を学び、中国駐大阪総領事館勤務のほか、駐日本国大使館公使、駐ベトナム大使、外交部副部長兼朝鮮半島事務特別代表などを経て、2019年5月から駐日本国全権大使。20年春に計画されていた習近平国家主席の国賓訪日の調整にあたるも新型コロナ拡大により実現しなかったが、日中間の諸懸案解消へ精力的に活動された。

レセプションでは福田康夫元首相、公明党山口那津男代表に続き、日本政府を代表してあいさつした山田重夫外務審議官は「新型コロナの影響で人的交流に支障が生じる中、日中間の意思疎通や交流を維持すべく、多大な努力をされた」と孔大使を労った。経団連の十倉雅和会長、日中協会の野田毅会長のあいさつが続き、自民党二階俊博元幹事長の音頭で乾杯が行われた。


孔大使には大使館や中国文化センターなどで数度お会いした。今年いただいた年賀状は、泰山と富士山、天壇祈年殿と金閣寺、パンダとトキが松と雪結晶に浮かび上がる立体的作品。1998年に江沢民国家主席が中国の元首として初めて日本を公式訪問した時は日本国内のトキは1羽だけだった。江主席は皇居で天皇陛下にトキ贈呈を約束し、翌年1月には雄雌ペアが佐渡へ届けられた。人々の保護活動も実り、現在では480羽ほどが元気に飛翔している。

上野と和歌山から帰国したパンダの報道はあふれているが、トキに注目する人は少ない。米中対立やロシアによるウクライナ侵攻など複雑な世界情勢も絡み、ギクシャクした状態が続いている日中関係。今年は「日中平和友好条約締結45周年」。22日には両国政府幹部による「日中安保対話」が4年ぶりに外務省で開かれ、「日中経済パートナーシップ協議」もオンライン形式で行われた。友好を基礎として、理解を進め、共同を実践する2023年!パンダのように派手な話題にならなくても、トキのように地味であっても着々と進めたい。延べ18年間、日本で尽力された孔鉉佑大使、お疲れ様でした。益々のご活躍を願っています。

■筆者プロフィール:小島康誉


浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。
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※本コラムは筆者の個人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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