文系学生が多いと経済成長の足手まといになるのか―中国メディア

Record China    2023年2月28日(火) 8時40分

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文系学生が多いと経済成長の足手まといになるのだろうか。写真は延辺大学。

中国メディアの財経によると、北京大学の女性博士はこのほど、自身の困難な就職活動経験をインターネット上で共有した。トップレベルの名門校の高学歴人材でも仕事が見つからない原因はおそらく文系だからだ。この女性の専攻である歴史と条件が一致する仕事は多くない。面接を受けたのは、22の高等教育機関、13の高校、3の公的機関、2の学外教育機関そして公務員。とても励んだものの良い結果は得られなかった。

同様の例は他にもある。武漢大学で政治学を専攻して卒業した男性が記した文章が先ごろ、ネット上で注目された。この男性は荷物運搬人やウエイター、マンション管理人、雑役などを経験し、卒業から10年後の現在は果物屋の店員だ。

北京大学の文系卒ですら仕事が見つからないのだから、よりランクの低い大学の卒業生にとってはなおさら困難だ。延辺大学で歴史学の博士号を取得した男性は中国で最も高学歴の配達員となった。

「文科生百無一用(文系学生は百に一つの用もなさない)」との言葉は高校3年生の出願にも影響を与えている。2020年の大学入試で湖南省耒陽市の文系の状元(最も高得点だった人)は北京大学の考古学専攻に出願した。ネット上に寄せられたコメントは両極端で、考古学界からは多くの励ましの声が上がったものの、多くは彼女をくじくような内容のものだった。

就職難の文系と対照的なのが理系だ。

理工系の学部から大学院では金融や会計などに専攻を変える人も多く、学校次第では、修了後に金融業界の中でも高収入が期待できる職種に就けるなどの優位性がある。

今から10年前、学部専攻別就職率トップ50のうち41が理系の専攻だった。状況は現在もほぼ同様で、20年はトップ50のうち43が理系の専攻だ。それに対し、就職が難しく収入が低い専攻のトップ5はいずれも文系の専攻だ。

求人サイトの智聯招聘によると、22年に人文学科を卒業して就職先との契約に至った率は12.4%にとどまり、理工系の半分にも満たなかった。

公務員試験でも人気があるのは理工系だ。国家試験のほぼ99%の職位が専攻による制限を設けている。コンピューター系の募集・採用人数は、漢語言文学や法学、新聞学など伝統的に人気の高い専攻を上回っている。

給与面での格差もある。20年の文系卒で最も多かったのが3000~5000元(約5万8000~9万8000円)だったのに対し、理系卒で最多は5000~7000元で、就職後の給与の伸びも同レベルにない。

ではなぜ文系はこのような悲惨な結末を迎えることになってしまったのか。時代に合わない学科設置と無関係ではないだろう。

教育部によると、21年の学部卒者の51.5%を人文社会科学系が占めているが、現実世界では理工系に対する需要がより旺盛だ。

中国人民銀行(中央銀行)が21年4月に発表したワーキングペーパー「わが国の人口構造転換に関する認識と対策」は、「文系学生が多いと経済成長の足手まといになる」「東南アジア諸国が中所得のわなにはまった原因の一つが文系学生の多さ」と述べていた。当時は納得しない人も多かったが、今見ると、ある意味、理にかなっているように思える。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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