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ロシアによるウクライナ侵攻から24日で1年。戦況は一進一退で、米国や中国、ロシアの思惑が交錯し、戦争の出口は全く見えないままだ。
ロシアによるウクライナ侵攻から24日で1年が経過した。「特別軍事作戦」と称して短期決戦を狙ったロシアのもくろみはついえ、戦況は一進一退。ウクライナを全面支援する米国、欧州連合(EU)やロシアと友好関係を保つ中国の思惑も絡んで戦争の出口は全く見えないままだ。
ロイター通信などによると、ロシアのプーチン大統領は21日の年次教書演説で、ウクライナ侵攻について「われわれは一歩一歩、慎重に整然と直面する目標を攻略していく」として、継続を強調。「米国を中心とする北大西洋条約機構(NATO)が世界対立でロシアを打ち負かせるという誤った信念を抱いて、紛争をあおっている」と主張した。
さらにプーチン氏はロシアと米国の最後の核軍縮条約である「新戦略兵器削減条約(新START)」への参加を一時停止すると発表。「ロシアは新STARTへの参加を一時停止すると表明しなければならない。世界の戦略的均衡を崩し得るという幻想を抱くべきではない」と述べ、米国への対抗意識を改めてあらわにした。
これに先立ち、米国のバイデン大統領は20日、ウクライナの首都キーウを電撃訪問。ゼレンスキー大統領との会談後に記者会見したバイデン氏は5億ドル(約670億円)規模の対追加支援を表明した。対露追加制裁措置を発表するとも明らかにした。
バイデン氏は「ロシアの狙いはウクライナを地図上から消し去ることだったが、プーチンの征服戦争は失敗した」と指摘。「われわれは大西洋から太平洋まで、NATOや日本など世界中の国々の連合を構築した。50カ国以上がウクライナに軍事、経済、人道的支援を行っている」と言及し、米国が主導的役割を担ってきたことを力説した。
一方、欧州を訪問した中国外交トップの王毅政治局員は18日、ドイツ・ミュンヘンでウクライナのクレバ外相と会談。王氏は「われわれはウクライナ危機の長期化、拡大を見たくない」と言明。「国際社会と共に情勢のさらなる悪化を避け、平和への努力を根気よく持続したい」と述べ、和平協議を促した。
王毅氏は22日、モスクワでプーチン大統領とも会談した。プーチン氏は会談で「現在の国際関係は厳しい」とした上で、ロシアと中国が協力することは「国際情勢の安定のために極めて重要だ」と言及。これを受けて王毅氏は「両国と世界全体の利益のために中国はロシアとの協力関係を強化する用意がある」と応じた。
中国はウクライナをめぐり、戦争終結に向けて積極的な役割を演じる姿勢を示している。中国の習近平国家主席は今後数カ月以内にロシアを訪れる可能性があり、中国側には習主席の訪問を和平交渉の下地づくりにしたい思惑があるともみられる。(編集/日向)
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