中国大手企業、ChatGPTの類似モデル開発競争を展開―仏メディア

Record China    2023年2月22日(水) 11時0分

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21日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国で対話型AI「ChatGPT」の類似モデル開発競争が起きていると伝えた。

2023年2月21日、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の中国語版サイトは、自然な文章が生成可能な人口知能による自動会話プログラム「ChatGPT」のブームを受けて、「中国の大手ハイテク企業間でChatGPTの類似モデル開発競争が始まった」と指摘する記事を公開した。

記事は初めに仏紙「ルモンド」の上海特派員シモン・ルプラット(Simon Leplâtre)氏が中国版ツイッター・微博(ウェイボー)上で寄稿した「なぜ中国にはChatGPTがないのか」という文章について紹介した。シモン氏は「アリババテンセント、バイドゥやバイトダンスなどは数年前まで欧米の大手ハイテク企業とイノベーションや株価などで互角の競争を展開していたが、自然な文章を生成して自動会話が可能なChatGPTは、マイクロソフトを株主とする米カリフォルニアのOpenAIで開発された。これにより、中国は学術的にも投資家目線からも、人工知能の開発で明らかに先を越されたが、その反省もあって中国の大手ハイテク企業間では、中国国内市場をいち早く制するためのChatGPTのコピー競争が始まった。なぜなら、中国国内ならグーグルフェイスブック、アマゾンとは競争せずに済む上に、現時点でChatGPTを作った企業は中国の電話番号も銀行の通帳も持っていないからだ」と指摘した。

次に記事は、中国大手ハイテク企業のChatGPTに対する反応について紹介した。一番早く反応したのはバイドゥで、今月6日に人工知能ベースの独自のチャットボット「Ernie Bot(アーニーボット、中国名は『文心一言』)」を、社内テスト終了後の3月に正式なサービスとして立ち上げると発表し、同社の株価は同日正午時点で14%上昇したという。アリババは、技術研究機関の「アリババ達摩院(Alibaba DAMO Academy)」にて、ChatGPTのようなAIツールを開発中だと明らかにした。他にもテンセントや360など多くの企業も関連プロジェクトの研究と投資を拡大する意向を示しているという。ルモンドのシモン氏は「ChatGPTが中国に引き起こした人工知能ブームへの各社の対応はバラエティーに富んでいるが、ChatGPTと関係があると誤解された企業の株価が急上昇し、慌ててChatGPTとは無関係だと公表するケースがあるため、投資には注意した方がいい」と述べた。

続いて記事は、ChatGPTに対する中国の反応を紹介。中国民営経済研究会副会長の任沢平(レン・ゼーピン)氏は「ハイテク企業は真のイノベーションに全精力を注がずに、デリバリーやネットショッピングなどの競争に金をつぎ込んでいる。いったい何をしているのか」と微博上で批判を展開した。また、中国電子電気工程院標準協会会長の袁宇教授は「中国は人工知能の基礎研究で米国の後塵(こうじん)を拝した。中国はリーダーではなくフォロワーだ」と指摘したという。

ルモンドのシモン氏は「失望の背後には、約束が守られなかったという現実がある。5年前、中国は世界に先駆けてモバイル決済を導入したほか、シェアサイクルや無人化商店など頻繁に新しいプログラムを世に送り出していた。2017年に中国政府は30年までに中国がIT領域における一大イノベーションセンターとなれるよう計画を立てたが、過去2年で中国のプラットフォームがトップニュースになるのは、記録的な罰金が科せられた時か、初公開株の株主募集を当局に取り消された時ぐらいだ」と指摘した。

記事は最後に「中国人が中国語でChatGPTを使用した場合、英語で利用した時ほどの効果や精度は得られないが、それでも、中国製の対話型AIは米国製に簡単に打ち負かされた。そのため、中国のハイテク企業に反省を促す声も上がっている」と述べた。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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