中国の消費回復が伸び悩む、原因と活路は?―香港メディア

Record China    2023年2月17日(金) 7時0分

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15日、香港01は中国で消費の回復が思わしくない原因について考察する記事を掲載した。写真は寧波市。

2023年2月15日、香港01は中国で消費の回復が思わしくない原因について考察する記事を掲載した。

記事は、先月末の春節では中国の消費市場が回復の兆しを見せたものの、期待されていた「リベンジ性」からはなおも大きな隔たりがあったと評するとともに、中国の中央銀行・中国人民銀行が発表したデータで、昨年の中国本土住民の預金総額が17兆8400億元(約350兆円)と前年から7兆9000億元(約150兆円)も増加し、今年1月にはさらに預金増加ペースが加速していることが明らかになったと紹介した。

さらに、特筆すべき点として、本来活発な消費が期待される若い世代の貯蓄志向が高まっていることを指摘。ある報告では、貯金の習慣があると答えた人の割合が1990〜94年生まれで41.7%、95〜99年生まれで40.6%と40歳以下の層において1位、2位との高さとなったことを伝えた。

その上で、消費の回復が思わしくなく、貯蓄志向が高まっている要因について一部の社会心理学者が「激しい競争の圧力にさらされる中で、中国も日本のような低欲望社会に入った」との見方を示していると紹介しつつ、「この認識に完全に同意することはできない」との姿勢を示した。

そして、結局のところ、中国か日本かに関係なく、そしてどんな家庭環境や個人の境遇であるかにも関係なく、消費の意欲を左右する根本は将来の経済の収入の見通しが明るいかどうかだとし、経済や個人の収入に明るい未来が見いだせない状況では、供給側の改革をどんなにうまくやっても、企業がどんなに素晴らしい製品を作っても、人々の消費意欲をかき立てることは難しいと論じている。

記事は、先行きの不透明な現状から消費を回復させる手段について、金融緩和による消費の刺激を継続するとともに、経済建設中心の方針に回帰し、各種手法によって経済をできる限り早く上向かせて市場のキャッシュフローを活発化させ、人々の経済全体に対する信頼を取り戻すこと、そして一般市民の収入を増やし、一般の家庭や個人が国の経済成長からより多くの果実を得られるようにすることだとした。

また、中国の経済成長はこれまで長きにわたり投資主導で、政府の収入を増やすことで実現してきたものであり、一般市民の収入が国民全体の収入に占める割合は著しく低い状態が続いてきたと指摘。市民の収入を増やし、それを消費に転化するためには、政府、企業、個人の三者の収入分配比率を見直し、特に政府の収入比率を下げて市民の収入比率を上げることが肝要であるとし、「市民の可処分所得が大幅に増えれば、中国社会の消費意欲も高まり、社会の焦燥感も薄まって、国民の幸福も顕著に高まるだろう」と結んだ。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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