中国人企業家、東京都内で急死―伊藤忠とも関係深い、資産1680億円の鄭永剛氏

Record China    2023年2月12日(日) 15時40分

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繊維事業を出発点に、資源やエネルギー関連にも進出した中国有数のコングロマリットである杉杉集団を率いる鄭永剛主席(写真)が10日、東京都内の病院で死去した。65歳だった。

繊維事業を出発点として、資源やエネルギー関連にも進出した中国有数のコングロマリットの一つである杉杉集団を率いる鄭永剛主席が10日、東京都内の病院で死去した。65歳だった。同日午後に心臓に違和感を覚え病院に搬送されたが、死去したという。

鄭主席は1958年に浙江省寧波(ニンポー市)で生まれた。高校卒業後の76年には軍に入隊。89年には、債務超過で深刻な状況に陥っていた寧波甬港服装廠の経営を引き継ぎ、紳士服のブランドを展開する杉杉集団として再建し、発展させた。

96年には株式上場を果たし、98年には「多ブランド・国際化」の戦略に着手した。同集団は中国のアパレル業界のモデルチェンジとアップグレードに貢献したと評価されている。

99年には本社を上海に移し、事業分野の多角化に着手した。2002年にはリチウム電池事業に進出。同事業ではリチウムイオン電池の材料供給で世界トップ3入りを果たした。同集団はさらに金融サービス、都市建設、商社業務と物流、企業パーク建設などの分野でも飛躍的に成長し、02年から連続して「中国企業500強」に選ばれている。09年には伊藤忠商事が杉杉集団の株式28%の株式を取得し、日中資本提携のモデルケースを実現させた。

寧波市の杉杉集団

鄭主席は仕事の関係で日本に滞在することが多く、東京都港区内に住居を所有していた。2月10日午後港区内の自宅で突然、心臓に違和感を覚え、都内の病院に搬送されたが死去した。鄭主席は資産家でもあり、英国出身の公認会計士で中国の富裕層を研究するルパート・フーゲワーフ氏が創設した中国の資産家ランキング「胡潤百富榜」は2019年版で、鄭主席の資産を105億元(当時の為替レートで約1680億円)と評価した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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