フィギュアスケーターの羽生結弦さん（28）の3年前の偉業に、中国国営テレビも反応を示した。プロ転向後もその「魅力」は健在のようだ。

羽生さんは2020年2月9日、韓国ソウルで行われた四大陸選手権で初優勝した。これにより、男子史上初、ジュニアの世界選手権、グランプリ（GP）ファイナル、シニアの五輪、世界選手権、GPファイナル、四大陸選手権（欧州選手権）の6つの主要国際大会をすべて制覇する「スーパースラム」を達成した。

この話題は9日、「スーパースラム3周年」として中国のファンの間で話題になっていたが、なんと中国国営の中央テレビ（CCTV）のスポーツチャンネルも反応。中国版ツイッター・微博（ウェイボー）のアカウントで四大陸選手権の表彰式の動画を添付し、「IOC（国際オリンピック委員会）が公式に認める史上唯一のスーパースラムを達成した選手だ」などとたたえた。CCTVが海外選手の記録の「〇周年」を取り上げるのは異例だ。

CCTVは過去にもたびたび「羽生称賛」が話題になっている。2018年の平昌五輪では、同局の女性アナウンサーで解説員の陳滢（チェン・イン）さんが羽生さんをひいきするようなコメントを連発したほか、フリーの実況では「容姿は玉のごとく、姿は松のごとく、優雅さはオオハクチョウが驚くがごとく、美しさは龍が泳ぐがごとく」「運命は勇者にささやく。『お前は嵐にあらがうことはできない』と。勇者はささやく。『私が嵐だ』と」などと、中国語の成語を交えて情感豊かに伝えた。

また、同五輪の期間中にはSNSで羽生さんを称賛する投稿を繰り返し、エキシビションの演技については「まるで古いおとぎ話の本から出てきた王子様のよう。仙女や妖精のごとき優雅さ、そしてしなやかさ。この世にこれほどまで美しい人がいるのかと感嘆せずにいられない」と美辞麗句を並べて絶賛。ネットユーザーから「CCTVが出す中国選手以外の情報はみんな羽生結弦」「好きすぎておかしくなっちゃってる」「どうやら羽生に恋をしているようだ」とからかわれたほか、他の中国メディアからも「CCTVが陥落した」と報じられていた。（翻訳・編集/北田）