中国人の「自分へのご褒美」だった吉野家の牛丼が苦境に―中国メディア

Record China    2023年2月11日(土) 19時0分

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中国メディアの澎湃新聞は3日、「かつて多くの中国人が『自分へのご褒美』として牛丼チェーンの吉野家で食事をしたが、吉野家は今、苦境に立たされている」との記事を掲載した。

中国メディアの澎湃新聞は3日、「かつて多くの中国人が『自分へのご褒美』として牛丼チェーンの吉野家で食事をしたが、吉野家は今、苦境に立たされている」との記事を掲載した。

記事によると、以前は多くの中国人が30~40元(約580~780円)払って吉野家で食事をすることを、頑張って働いた自分へのご褒美とした。しかし、同時期に中国市場に進出したマクドナルドが熱烈的なファンを擁しているのに対し、吉野家は今、経営の苦境に立たされている。

南北の吉野家、いずれも難題に直面

中国にある吉野家の店舗について、記事は「実は2社が経営している」と述べ、1社は日本の吉野家ホールディングス、もう1社は合興集団だと説明。吉野家ホールディングスは上海深セン、福建など南方の都市で、吉野家と長期ライセンス協議に調印した合興集団は北方で運営を行っているとし、「南北の吉野家の価格に大差はなく、看板料理も販売しているが、それぞれ違うメニューを開発する」「現在、いずれも発展上の共通の難題に直面している」と伝えた。

その中で上海吉野家の中国経営側として上海錦江国際餐飲投資管理有限公司を取り上げ、同社が22年8月末、上海吉野家の株式約10%を譲渡する計画と報じられたことを紹介。上海吉野家は赤字が続いていたとし、北方の「合興吉野家」については「20年、8190万元(約15億8000万円)の赤字だった」と指摘している。

日本式ファストフードの成否のカギは?

吉野家は1992年、北京の繁華街・王府井に1号店を設けた。記事は同店が無数の消費者の支持を集めたことに触れた上で「吉野家はその後、中国で拡大を続け、現在、中国の店舗数は海外全体の70%を占める」とし、「日本と中国で価格に大きな違いはなく、日本では標準的な並盛が人民元換算で約23元、中国の北方都市では25.5元だ」とも説明。「日本人の平均収入は中国人の2倍強で、日本の消費者にとって安いどんぶりは中国ではさほどの価格的強みを持たない」と論じた。

そして、吉野家と同様の境遇として味千ラーメンと吉野家ホールディングス傘下のはなまるうどんを取り上げた。味千ラーメンについては2022年上半期の赤字や店舗数の減少、はなまるうどんについては22年8月に公表された中国市場からの撤退について説明している。

さらに、その一方ですき家は22年上半期に売り上げを伸ばしたと伝え、「日本式ファストフードの成否のカギは一体どこにあるのか?」と言及。「日本式ファストフードが大流行した背景には当時の『日本文化ブーム』があり、あのころ人々が見たのは『東京ラブストーリー』『ノルウェイの森』や日本の漫画。遊んだのは日本のゲームだ。30年が過ぎ、これらによってもたらされた飲食文化に『大退潮』が現れた」と伝えるとともにファストフード業界の競争は激しさを増しているとし、「すき家は基本的に毎月、新商品を出しているが、吉野家の商品は目新たしさがほとんどない」との考えを示した。

記事は最後に吉野家について「社会、文化の雰囲気が変わった。価格の強みがなく、メニューも消費者を十分に引き付けていない」と評した上で、「多くの苦闘している日本式ファストフードについて言うと、中国市場を再び抱きかかえたいなら『安い、おいしい、目新しさ』は依然、成功のための真理なのかもしれない」と締めくくっている。(翻訳・編集/野谷

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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