中国、初の国産新型コロナ薬を条件付きで発売許可、南京市の製薬企業などが共同開発

Record China    2023年2月3日(金) 14時0分

拡大

中国・南京市に拠点を置く製薬企業などが共同開発した新型コロナウイルス標的薬「先諾欣」について、当局は薬品特別審査認可手続きに基づき条件付きで発売を許可した。初の国産薬だ。写真は南京市の製薬企業。

中国・南京市に拠点を置く製薬企業の先声薬業は新型コロナウイルス標的薬「先諾欣」が国家薬品監督管理局(NMPA)による薬品特別審査認可手続きに基づいた緊急審査と評価を受けた結果、条件付きの発売許可を得た、とこのほど発表した。「先諾欣」は初の国産で同社と中国科学院上海薬物研究所、武漢ウイルス研究所が共同開発した。

AFP通信が紹介した中国国際放送局の報道によると、「先諾欣」は中国で初めて独自に開発された3CLプロテアーゼ(タンパク分解酵素)を標的とする抗新型コロナウイルス経口薬。使用する有効成分の一つは新型コロナウイルスが複製のために必要とする3CLプロテアーゼの働きを阻害し、それ以外に少量に使用する成分により体内における3CLプロテアーゼを抑制する成分の代謝や分解を遅らせて、抗ウイルス効果を高める。

3CLプロテアーゼは新型コロナウイルスについて発見された主なタンパク分解酵素で、ウイルスの複製過程において不可欠とされる。3CLプロテアーゼはウイルスの機能していないタンパク質を切断するが、その切断部位は極めて変化しにくいためにウイルスの突然変異の影響を受けにくい特徴がある。

「先諾欣」は米ファイザーの「パキロビッド」や塩野義製薬の「ゾコーナ」と同様の3CLプロテアーゼ標的薬。そのため、「先諾欣」は広い範囲のウイルス株に対して有効で、人の体内には3CLプロテアーゼと類似したタンパク質がないために、「先諾欣」は選択性と特異性が高い上に、副作用のリスクが小さいという。

承認されたのは「軽度・中度新型コロナウイルス感染症の成人患者」の治療のための利用で、中国の患者により有効な治療の選択肢をもたらすことが期待される。研究によると、軽度と中度の新型コロナウイルスの成人感染者に対して「先諾欣」は顕著な抗ウイルス効果を示し、投薬にはウイルス量が急速かつ大幅に減少し、新型コロナウイルス感染症の回復が加速し、完治までの日数を短縮することができる。

新型コロナについて、中国メディアは1月30日、感染拡大が昨年12月後半にピークを迎え、今回の感染の波は収束に向かっているとする中国疾病予防コントロールセンターの見解を一斉に伝えた。今月21〜27日の春節(旧正月)の大型連休中に感染が拡大すると懸念されたが、同センターは連休中に著しい感染拡大はなかったとしている。

国家衛生健康委員会の当局者は30日の記者会見で「全国的に感染状況は低いレベルに入った」と説明。中国疾病予防コントロールセンターの専門家は大型連休初日の21日、中国の人口の約80%が既に感染したとの分析を発表した。大型連休前に人口14億人のうち11億2000万人が感染した計算になる。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携