中国製のカメラレンズが日本進出、VILTROXを使ってみた

Record China    2023年1月17日(火) 22時30分

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カメラやレンズといえば日本製という時代が長く続いてきたが、最近は中国製品もいろいろと出てきた。(撮影:太田雅幸)

カメラやレンズといえば日本製という時代が長く続いてきたが、最近は中国製品もいろいろと出てきた。MF(マニュアルフォーカス)レンズについては中国製の方が多いぐらいだ。

AF(オートフォーカス)レンズもまだ少ないが見かけるようになった。その中でも人気の高いVILTROX(ビルトロックス)の33mmと23mmの単焦点レンズを入手したので、使用感も含めて紹介する。

VILTROXは2009年に中国・深センで設立された撮影用品のメーカーで、主にレンズアダプターリングを生産していたが、18年にレンズの製造を開始し、多くのレンズを販売している。

今回紹介するのは、標準レンズといわれる人間の目で見える画角に近いタイプの33mmレンズ「AF 33mm F1.4」と、それよりやや広角な「AF 23mm F1.4」だ。両レンズ共に17日現在、アマゾンで3万6270円で販売されている。日本製のシグマ「30mm F1.4 DC DN」などと同価格、同性能のレンズで、3万円台で購入できるため、初めて単焦点レンズを買う人にも手が出しやすい。



フォーカス精度は純正やSIGMAレンズと比べても遜色ない印象だ。レンズフードはこの価格帯でありながら金属製なので、所有感も満たせる。また、好き嫌いは分かれるが、比較的高級レンズに多く見られるF値の調整リングが付いているのも特徴だ。

フォーカス速度は日本製より少し劣る気がするが、十分に許容範囲だ。逆に暗所では早い段階で瞳AFが効かなくなるので、手動でピント面を合わせればかえって早いというメリットもある。

これは弱点とも強みとも取れるが、周辺減光落ちが激しい。カメラをやっている人ならわかると思うが、昔のレンズのように写真の中央が明るく四隅が暗い写真が撮れる。よく言えば、味のある写真が撮れる。最近のレンズは周辺減光が少ない方が良いといわれているが、オールドレンズテイストの最新レンズだと思えばこれは強みともいえる。(両レンズ共に発売開始は2020年)

筆者はソニーのカメラを使っているためEマウント用を購入したが、富士フイルムのXマウント用、ニコンのZマウント用、キヤノンのEF-Mマウント用も販売されている。

「AF 23mm F1.4」はシグマのAPS-C専用のラインナップにはない画格だ。ソニー純正ではフルサイズ対応の「FE 24mm F1.4 GM」というレンズがあるが、20万円近くもする。最近発売されたシグマのフルサイズ対応の「24mm F1.4 DG DN | Art」も10万円以上するので、3万円台で買えるこのレンズの価格的アドバンテージは大きい。また、APC-S専用設計のため、小さくて軽いのはメリットといえるだろう。レンズを装着したカメラを女性カメラマンに持ってもらったが、女性でも十分に扱えるサイズだ。


撮影例として、花と女性を撮ってみた。ダンスユニット「ふぇありぃずぅ」のふぁみあ、舞台役者の大空晴飛と二つの名前で活動している女性にご協力いただいた。花もモデルも素晴らしい解像感で撮れている。初心者からハイアマチュアまで満足できるとても良いレンズだと思う。








【筆者紹介】カメラマン:太田雅幸

レコードチャイナの担当デスクと共に映画の試写会に参加したのをきっかけにカメラを始める。以後、ウェブ媒体の取材カメラマンとして多くの撮影を行う。スタジオライティングを独学で学び、撮影イベントなども主催。プロフィール撮影などの人物撮影をメインにスタジオワークを行う。いち早くミラーレス一眼を導入し、自由度の高い撮影をしている。

※本コラムは筆者の個人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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