日本人も仰天、中国企業が「超高級ホテル並み」の従業員用トイレを維持するワケとは―中国メディア

Record China    2023年1月17日(火) 20時0分

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中国では、日本のトイレは清潔だと評価されている。しかし一方で、訪れた日本人が驚いてしまうほど立派なトイレを備え、しかも従業員が自覚して清潔さを維持している企業がある。

過去3年間ほどはコロナ禍で中断しているが、中国では2019年までに日本旅行を経験した人が増えたことで日本社会の「清潔さ」が改めて評価されるようになった。特に驚嘆されたのは、不特定多数の人が使用するトイレの清潔さだ。ところが中国でもその後、「中国にも日本に負けないほど清潔的な従業員用トイレを備えている企業がある」と繰り返し言及されるようになった。実例として挙げられたのは浙江省に本社を置きプラスチック製のカップやストローを製造する義烏市双童日用品有限公司だ。そこで、同社が「超高級ホテル並み」のトイレを完備するようになったかの経緯を説明する捜狐に掲載の記事をご紹介しよう。以下は、同記事の抄訳だ。

双童のトイレ革命は、02年9月のある「事故」がきっかけで始まった。同社はそれまでに、2年の時間をかけて日本の優良顧客を獲得することに成功しかけていた。ただし、双童は日本側に自社の生産現場を審査してもらうことになっていた。そのために、双童は全工場の従業員を総動員して、工場建物の中も外もきれいに掃除した。

楼仲平(ロウ・ジョンピン)社長は日本人が自社の各所を見て回るのを、オフィスで待っていた。ところが従業員から「日本人のお客様は、トイレに行ってから黙って帰ってしまいました」との報告を受けた。

楼社長は後になってから、日本人はトイレの清潔さを極めて重視すると知った。また、日本人は、トイレ一つも清潔に保てない企業は、高品質の製品を生産できないと考えることも知らされた。

双童の当時の建物には制約があって「素晴らしいトイレ」を造ることができなかった。そこで楼社長は、新工場を建設した際に、全てのトイレを「超高級ホテル並み」にすることにした。企業のトイレは経営理念を最も端的に示すと考え、良質な製品を作るためには、トイレをその企業で最も清潔な場所にせねばならないと考えるようになったのだ。

双童のトイレから「汚さ」は一掃された。とはいえ「豪華絢爛(けんらん)」なのではなく、細かく行き届いていて明解かつシンプルで、細かい配慮が行き届いている。男女トイレのほか、手洗いコーナー、乾燥コーナー、トイレットペーパーコーナーなどの配置も良好だ。


また、各種の文字表示で、従業員にルール順守や清潔さの維持についての自覚を求めている。たとえば洗面台のところには「清潔さを維持してください。大量の水をはねさせてはいけません。床板を濡らしてしまいます」と書かれている。また「生産エリア、喫煙厳禁」の文字もある。個室内には、「使用後は水を流してください。素養の高さ低さは、今、あなたが一人になっている時に出てきます」の表示がある。表示の文面は高圧的に押し付けるのでなく、温かく呼び掛けることを旨としている。


トイレについても、ハード面を整備するだけでは不足だ。使用に当たっての雰囲気を醸成することが鍵になる。そのためには良好な管理方法が重要だ。双童では、従業員がトイレの清潔さを保つ自覚を高めるように努力した。結果として、従業員の素養や意識が高まり、それがまたトイレの清潔さ維持に奏功するという良い循環が発生した。

個人の習慣は「所属する集団の全体的意識」に左右される。環境が悪ければ、個人の行動様式も悪くなり、そのことがさらに周囲にも伝染していく。逆に、トイレの清潔さを保つ習慣や考え方がまるでない人でも、双童のような良好な企業環境の中で働き、生活するようになれば、習慣も徐々に改善される。その効果によって、企業全体が環境をより効果的に改善することにつながる。


双童がトイレの設備を充実させたことは、単に大金を投じただけではなかった。「超高級ホテル並み」のトイレを従業員に提供した上で、従業員が自らの考え方と行働様式を改善するように導いた。従業員に「細かいこと」に対しても、十分に心を砕くようにさせた。そのことで、製品の品質追求に向かわせた。同社が社是とする「人の心と良心」が込められた製品を産出するには、従業員の「思想」を変化させる必要があったという。同社の「トイレ革命」は、顧客が安心して購入し、使用できる製品を世に送り出すことにもつながった。

今では、双童を訪問した日本人が楼社長に向けて「御社のトイレはどうしてこんなに清潔なのですか。想像していた中国のトイレとはあまりにも違いすぎます」と、驚きの言葉を発するという。(翻訳・編集/如月隼人


※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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