日本で商品の包装がスゴいのは、中国文化学習の「優等生」だったから―香港で解説記事

Record China    2023年1月15日(日) 20時30分

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香港メディアの香港01が、日本で商品の包装が素晴らしいことの出発点は、中国で重視された「礼」の文化を日本人が受け入れたことなどと紹介する記事を発表した。

日本を訪れた外国人は、日本製商品のパッケージや、店員による包装の見事さに驚くことも珍しくないという。香港メディアの香港01は14日付で、日本で商品の包装が素晴らしいことの出発点は、日本人が中国で古くから重視された他者に礼を尽くす文化を受け入れたことで、それを重視し続けたと解説。商品のパッケージについての最近の動きも紹介する記事を発表した。以下は同記事の主要部分に若干の情報を追加するなどで再構成した文章だ。

贈り物をする際には、相手にとって役に立つ品であるだけでなく外観も大切だ。贈り物をする時節としては、春節(旧正月、2023年は1月22日)などがあるが、贈り物とは自分の気持ちを相手に伝える手段であるから、相手にはその外観を見るだけでうれしくなってもらうことが好ましいからだ。

包装と言えば、思い出すのは日本のことだ。日本製品の包装は期待を決して裏切らない。日本人はどうして、それほどまでに包装のデザインに長けているのか。このことを語るには、まず日本人の感情面から説明せねばならない。日本は礼儀を重んじる国であり、贈り物も日常茶飯事だ。例えば、日本ではバレンタインデーに女性が男性にチョコレートなどを贈る習慣が定着し、さらには1カ月後のホワイトデーには男性側がお返しとして女性に菓子類を贈る習慣も定着した。

元はと言えば、菓子類業界の人が考え出した「販売促進」の手法だったが、日本においてはバレンタインデーやホワイトデーは「贈り物をする祝いの日」として定着した。

日本の贈り物文化は古い時代にまでさかのぼることができる。紙が普及していなかった時代には、物や贈り物を包むために布、すなわち風呂敷を使った。最初は風呂敷用に特化した布ではなかったが、江戸時代に贈り物を布に包む習慣が普及すると、包む物に応じて大きさや厚さ、模様の異なる風呂敷が作られるようになった。この現象をもって、日本では包装文化が形成されたと言える。

贈り物を布で包む習慣は、中国や韓国にもあった。しかし、日本人は贈り物を包む布のデザインや模様に最もこだわった。なぜならば、日本人は昔から贈り物を「裸の状態」で相手に渡すことは「礼を失している」と考えたからだ。中国では古代から「礼を尽くす」ことが重視したが、日本人は「礼」の文化を受け入れ、その礼を尽くすために、包装を重視した。日本人は、贈り物の包装がよいことで、自分の相手に対する気持ちが示されると考えた。

日本の「贈り物を美しく包む文化」は、商品の包装紙にも受け継がれた。当初は高級な紙が使われたが、紙の制作に時間がかかり、高価でもあるので、包装紙は紙質よりもむしろ、デザインに重点が置かれることになった。こうして質がよく精巧なデザインの包装紙が登場することになった。

現在では、華麗で複雑なデザインの包装紙は主役の座を降り、デザイナーは日本文化の精神の本質である簡素さを重んじるようになった。しかし、多くの人が、デザイナーの工夫が凝らされたデザインを喜ぶ点では同様だ。

(読者である香港人の)皆さんもよくご存じだと思うが、デザイナーの深沢直人さんの作品は無印良品や多くの国際ブランドに採用されている。例えばアップル、日本精工、日立、ナイキ、東芝などだ。

2003年創業の日本の日用品デザインブランドである±0(プラスマイナスゼロ)の商品でも、深沢さんが手掛けたシンプルなデザインが光っている。深沢さんが提唱する「WITHOUT THOUGHT(ウイズアイト・ソート)」は、無意識の行為を視覚面やその他の感覚に訴えるものだ。

ここで、深沢さんによるジュースのパッケージである「Juice Skin(ジュース・スキン)」を紹介しよう。ジュースのパッケージに、原料となった果物を示すデザインを施したものだ。すぐに手に取りたくなるようなデザインであり、目を引くだけでなく、客がパッケージの中身を連想するのを助けることもあり、人は「自分はまだ飲んでいないぞ」と実感することになる。

この「Juice Skin」の外観は、深沢さんが数カ月前に米国人ラッパーのカニエ・ウエストさんと共同でデザインした、マクドナルドのビッグマックの新パッケージを思い起こさせる。やはり、商品のビッグマックそのものの姿を包装のデザインに使ったものだったからだ。

もう一つ知っておきたいことは、日本では製品の包装に対して厳しい基準があることだ。ジュース製品を例にするならば、完全に100%のジュースでない場合には、果物の写真を印刷して包装することができない。そのため、多くの場合にはイラストやキャラクターのデザインを用いた商品の外観を採用している。Juice Skinのデザインは、果物本来の味をより直接的に表現することに成功した。こうして日本では、より多く人が、デザインについて試みる意欲やデザインに対する好奇心が搔き立てられることになった。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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