中国・上海市のラジオ放送局・長三角之声は13日、中国版ツイッター・微博（ウェイボー）アカウントで「世界各国が中国人観光客を奪い合っている」と報じた。一方で、中国のネットユーザーからは否定的な見方が出ている。

長三角之声は「中国上海国際旅行展覧会の最近の調査によると、中国の旅行会社の76％が海外旅行再開後の旅行先として東南アジアを第1位に挙げている」とし、「多くの国で中国人観光客を迎えようと積極的に準備が進められている」と伝えた。

そして、タイでは中国政府による規制撤廃後に初めて到着した中国人観光客を、アヌティン副首相をはじめ複数の閣僚が空港で出迎えたこと、フィリピンのマルコス大統領が「私は中国の隣人を観光客、学生、投資者としてわが国に招待する」と述べたこと、シンガポールのオン・イエクン保健相が「中国の開放は良い知らせでわれわれも長く期待していた。両国は実質的な人的交流を回復すべき」と述べたことを紹介した。

また、インドネシアの閣僚が「中国人観光客のためにレッドカーペットを準備している」と語ったこと、カンボジアのフン・セン首相が「中国人には何も求めない。普通の観光客として来てくれればいい」と述べたこと、アラブ首長国連邦（UAE）では14日に春節を祝う催しを行い中国人観光客を歓迎することに言及したほか、スペイン、モルディブ、マレーシア、ベトナム、パキスタンといった国々の政府関係者や観光業関係者からも中国人観光客を歓迎する声が聞かれたと伝えた。

この報道に、中国のネットユーザーからは「笑える。彼らが欲しいのは『歩く金』だ」「奪い合っているのは中国人観光客なのか、それとも中国人の金なのか」「世界各国？どんな国々かよく見てみろよ」「自分で自分をだましてるんだな」など冷ややかな声が多く上がる一方で、「少なくとも彼らは私たちを歓迎してくれている。日韓よりはマシ」「日韓に行って首から札を下げさせられた奴らはこれを見て何を思うかな」など、厳しい水際対策を行う日本や韓国と比較するコメントも書き込まれている。（翻訳・編集/北田）