日米台の半導体競争が加速、韓国メディアは「韓国だけ後れを取っている」と懸念

Record Korea    2023年1月12日(木) 8時0分

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11日、韓国・朝鮮ビズは「日米台など主要半導体競争国が大胆な支援策を講じて産業育成を積極的に進めているが、韓国だけが後れを取っている」と指摘した。写真は韓国国旗。

2023年1月11日、韓国・朝鮮ビズは「日米台など主要半導体競争国が大胆な支援策を講じて産業育成を積極的に進めているが、韓国だけが後れを取っている」と指摘した。

記事によると、台湾は先週、技術革新と世界サプライチェーンにおいて重要な位置を占める企業に研究開発(R&D)投資の25%、設備投資の5%を税額控除すると決めた。その他にも台湾は政府が半導体産業を積極的に育成しており、その結果、ファウンドリ王座に君臨した台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ、半導体設計分野で頭角を現す聯発科技(メディアテック)など多くの企業が成長している。韓国との格差も拡大しており、昨年基準の売上高が10億ドル(約1323億円)を超えたグローバル半導体企業は台湾が28社、韓国は12社となっている。

米国、日本、欧州連合(EU)も大規模な支援策を講じている。米国は企業の規模に関係なく、米国に半導体工場を設立した場合は25%の税額控除を行い、半導体施設投資とR&Dに520億ドルを支援している。EUも半導体生産拡大のため、430億ユーロ規模の官民投資ファンドを造成する欧州半導体法を成立させた。日本は政府が700億円を支援し、ソニー、トヨタ、キオクシアなど日本を代表する企業8社が集まる先端半導体企業ラピダス(Rapidus)を設立。また、半導体企業設備投資の40%ほどを補助金として支援しており、TSMCがこの支援を受け、1兆1000億円を投じて半導体工場を設立している。

一方、韓国の半導体産業育成案は初歩段階にあるという。半導体産業育成支援法「Kチップス法」では、業界で最も期待されていた半導体施設投資への税額控除が8%水準にとどまった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の指示により再検討され、大企業と中堅企業は8%から15%、中小企業は16%から20%へと大幅に拡大されたものの、この改正案が国会を通過できるかどうかは不透明だと記事は指摘している。国会に提出された法案は与野党で議論されるが、現時点で国会の過半数議席を占める野党の同意を得るのが難しい状況だという。

さらに、米国主導で日本、韓国、台湾が参加する半導体サプライチェーンネットワーク「チップ4」での韓国の役割が曖昧だとの指摘も出ている。日本と台湾が米国と具体的な技術協力を議論し実益を得ているのに対し、韓国は参加を表明しただけで進展がない状況だという。

韓国の専門家からは「次世代半導体技術の標準は米国が主導しているため、米国の同盟国を中心に再編される次世代半導体プラットフォームに参加できるよう政府が努力するべき」「グローバル半導体サプライチェーンの再編が韓国にとって危機ではなく新たなチャンスになるよう、生態系を国外に拡張させなければならない」との声が上がっているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「共に民主党(野党)がこの国を滅ぼす」「文在寅(ムン・ジェイン)政権のサムスン制裁さえなければ、韓国の半導体は数年先を行っていた」「文政権の5年が大企業を苦しめた」「共に民主党は国の経済に関心がないのになぜ国会にいるんだ?」など前政権や野党を批判する声が多数寄せられている。

また、「韓国経済の太い糸が切れてしまわないよう国レベルの積極的な支援が必要」「韓国経済の存亡がかかる問題だ。政界は党利党略を優先せず、迅速に関連法を成立させてほしい」と訴える声も上がっている。(翻訳・編集/堂本

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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