中国の防疫政策の大転換は「白紙運動」の影響か、それとも…―独メディア

Record China    2023年1月12日(木) 15時0分

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10日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国政府が新型コロナ政策を大転換した主要因が「白紙運動」だったかもしれないと報じた。写真は広西チワン族自治区北海市のPCR検査会場。

2023年1月10日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国政府が新型コロナ政策を大転換した主要因が「白紙運動」と呼ばれる市民の抗議活動だったかもしれないと報じた。

記事は、中国政府が「ゼロコロナ」政策を正式に終了した8日、新華社が「新型コロナ対策は時と状況に適った科学的な意思決定の段階に入った」とする1万字程度の大長文記事を発表したと紹介。文章では毒性が低下する一方で免疫逃避能力と感染力が高いオミクロン株の流行、3年続いたゼロコロナ政策による社会の疲弊、焦り、緊張の高まりを受け、中国共産党中央が11月と12月の重要な会議を経てゼロコロナの終了を決定したことが説明されたと伝えた。

また、特筆すべき点として、文章が11月下旬に各地で発生したゼロコロナに反発する「白紙運動」についても言及し「14億人余りの人口を持つ中国では、同じ事柄に対してもさまざまな考え方が存在する。広くコンセンサスを獲得し、科学的な意思決定を行うことが、新型コロナ対策調整のカギとなる」と論じたことを挙げている。

その上で、シンガポール紙・聯合早報が専門家の意見として、新華社の文章は「白紙運動」やそのきっかけとなった新疆ウイグル自治区ウルムチ市で発生した火災が中国政府のコロナ戦略転換のきっかけになったことを間接的に認めるものであり、長期間に渡ったゼロコロナ政策は「その先を見据えていない単なる時間稼ぎ」だったことを表すものであると同時に、これまで次々と厳しい規制を繰り出してきた中での急激な緩和によって市民が政府に対する信頼、信用を失う可能性があると報じたことを紹介した。

さらに、米国在住の中国人ジャーナリスト・鄧聿文(デン・ユーウェン)氏が中国政府のコロナ政策大転換について「白紙運動」の高まりと同時に、昨年11月に経済指標が再び悪化したという経済的な問題も要因の一つとなったとの見方を示したことを伝えた。

一方で、「別の見方もある」とした上で、ドイツの感染症専門家であるアレクサンダー・ケクレ氏が「中国政府がゼロコロナ終了に踏み切った本当の理由は、オミクロン株の中国でのまん延だ。政策転換は中国政府が主体的にやったものではなく、感染はもはや制御不能と認識したことの反応であり、ほかに選択の余地はなかった」と述べ、「白紙運動」を主要因とする見解に対して「中国政府はどんなデモも容赦なく阻止し、ネット上の言論も封鎖し得る。それ故、私はこれが主要因だとは思わない」と否定したことを伝えている。

記事は最後に、世界保健機関(WHO)の緊急対応責任者であるマイク・ライアン氏が昨年12月中旬に、中国における感染爆発はゼロコロナ政策転換以前からすでに発生していたものとの認識を示すとともに、「私は中国当局が戦略的観点から政策転換を決定したものと信じている。彼らにとってもはやゼロコロナはベストチョイスではない」とコメントしていたことを紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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