日本政府の対香港入国制限、「朝礼暮改」の内幕とは―香港誌・亜洲週刊

亜洲週刊    2023年1月8日(日) 20時0分

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香港誌「亜洲週刊」はこのほど、日本政府が新型コロナウイルス感染症を理由とする香港からの航空便への対応を繰り返し変更した「内幕」を紹介する、毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。写真は香港空港の様子。

香港誌「亜洲週刊」はこのほど、日本政府が新型コロナウイルス感染症を理由とする香港からの航空便への対策を繰り返し変更した「内幕」を紹介する、毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。決定的だったのは、日本政府による中国中央政府と香港政府に対する「信用度」の違いだったという。以下は、同記事の抄訳だ。

■規制緩和・感染急増の中国で、「日本旅行ブーム」の兆し

中国では、2022年11月に新型コロナウイルス対策の緩和が実施されて以来、感染の急速拡大が伝えられるようになった。一方で、中国政府・衛生健康委員会は改めて、1月8日に国際旅客輸送便について旅客輸送便数の制限や旅客率の制限などの管理・抑制措置を廃止し、中国人の海外旅行を再開すると発表した。

同発表の直後に、中国ではインターネット上の旅行関連プラットフォームでは国際航空券の検索数が8.5倍に、ビザ関連の検索が10倍に跳ね上がるなどの現象が発生した。注目された渡航先のトップ3は、日本、韓国、タイの順だった。

すると日本政府は、12月30日午前から中国からの渡航者および7日以内に中国に渡航した人全員を対象に、入国時に新型コロナウイルス感染検査を実施することを決めた。また日中間の航空便の日本側受け入れ空港を、首都圏の成田と羽田の両空港、関西国際空港、愛知県の中部国際空港に限定すると発表した。日中間で予定されていた増便も取り消し、キャセイパシフィック航空など香港の航空会社に対しても、北海道の札幌千歳空港、沖縄の那覇空港、九州の福岡空港への直行便を暫定的に停止することを要求した。

亜洲週刊の調べによれば、日本側の措置の最も根本的な理由は、中国の現在の新型コロナウイルス感染状況を把握することが難しく、正確な判断を下すことが難しいからだった。岸田首相も、中国では中央と地方、政府と民間の感染情報に大きな食い違いがあるなど、詳細を把握するのが難しく、日本国内では懸念が高まっていると述べた。日本はそのため「自衛措置」を取らざるを得なくなった。そのために、香港のキャセイパシフィック航空なども「巻き添えを食らう」ことになった。結果として香港便で来日して同時点でまだ日本にいた人が香港に帰ることや、すでにチケットの予約を済ませた旅客の出発が困難になった。深刻な影響を受けた旅客は約6万人に達し、キャセイパシフィック航空および多くの旅行会社に経済上の損失がもたらされた。

■日本当局が考えを改めた背景に、香港政府への信頼度の高さ

このため、香港政府は日本側と緊急協議を行った。香港側は、日本が中国大陸における感染状況について強い懸念を持つことに理解を示した上で、香港までを巻き込むべきでないと主張した。そして、香港の新型コロナウイルスの感染拡大の情報は一貫してタイムリーで透明性が保たれおり、現時点では制御可能な状況にあるので、香港の航空会社に対する規制を撤廃してほしいと、理詰めで主張した。

香港側と日本側が前向きに交渉した結果、日本側はキャセイパシフィック航空の千歳空港、那覇空港、福岡空港への3路線を維持し、日本に入国する乗客全員に対する検査を行わないことに同意した。ただし、検査の撤廃は香港及びマカオからの旅行者に対してで、中国本土から香港やマカオを経由して到着した旅客には、検査を続行することにした。

日本側が香港側の主張を受け入れた最も根本的な背景は、香港およびマカオ当局は、新型コロナウイルスの感染情報の透明化と適時化が可能であるとの認識だった。言い換えれば、日本側が香港およびマカオ当局の新型コロナウイルス対策は信頼できると判断したことだった。

香港のキャセイパシフィック航空

■日本ではコロナ感染の抑止で、比較的よい状態が保たれた

日本も3年前に発生した第1波の感染ピークから現在第8波に直面までのコロナとの戦いの中で、回り道をしたりミスをしたことがある。1月3日までに日本で確認された新型コロナウイルス感染者数は累計2496万人を超え、累計死者数は5万7900人を突破した。つまり、日本では全国民の4分の1が新型コロナウイルスに感染したことになる。しかし全体的には、一時は緊迫した公共医療救護システムも機能を喪失することはなかった。政府に対する信頼が、完全に失われることもなかった。社会を管理する能力は、絶えず成熟して精密になり、科学的になると同時に、人間性を高めてきた。また、日本国民は自主的にかつ自覚をもって自らの感染症対策を実施した。

日本では、可能限りコストを最小化し、最も効果的な方式で新型コロナウイルス感染症と共存し、長期戦を展開し、社会民衆の生命と社会経済と生活ができるだけ損失を受けないようにしている。新型コロナウイルスの流行に、3年間にもわたって苦しんできた日本の人々は今年の新年、制限措置なしで比較的快適に新年を迎えることができた。

日本は中国における新型コロナウイルスの大流行と多くの不確実性に直面したが、中国本土から入国する旅客に対し、「鎖国」をするのではなく、検査を強化し、陽性の場合には政府が定める場所で一定期間隔離し、陰性ならば入国して自由に旅行できるようにした。これは日本にとっても中国にとっても国民の健康と安全を確保するためのウィンウィンの措置だ。

厚生労働省によると、12月30日から1月1日までの3日間、中国本土からの旅行者が入国できるように指定された4大空港での検査で、中国本土から渡航した旅客のうち、新型コロナウイルス感染者が200人検出された。

■日中の往来が日増しに正常化していくと信じる

日本は22年10月に1日当たりの外国人入国制限数を撤廃すると発表した。11月に日本に入国した外国人の数は93万人を超えた。中国は現在、自国民の海外旅行の再開を宣言するとともに、中国への入国の検査・隔離免除などの厳しい管理を大きく緩和している。これは中国と日本の両国の社会が正常な往来を回復する上で良いことであり、中国国民と在日華人華僑にとってはさらに二重の喜びだ。在日中国人や華僑にとっては、ホテルでの隔離期間なしで中国の故郷に直行し、親族や友人を訪ねて春節(旧正月、2023年は1月22日)を楽しむことができるようになったからだ。待ちに待った、家族への思いや郷愁を晴らすことができるようになった。また、中国ではこの3年間の厳しい封じ込めが解除されたことで、海外旅行ブームが発生することは間違いない。

新型コロナウイルスが流行する前の19年年末には、日中間の定期便は毎週1620便に達していた。日中の定期便は現在も週60便にまでしか回復していない。そのため、中国が国民の海外旅行制限を緩和したことで、航空券の検索や予約が爆発的に増加し、チケットの入手が困難な状況になったのも、必然的なことだった。中国大陸の新型コロナウイルス感染症の波が次第に収束するにつれて、日中両国の人々の往来が日増しに正常化していくと信じる。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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