中国メディアが“紅白”を論評―「勢いづく韓流、後退する演歌」

Record China    2023年1月2日(月) 12時0分

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中国メディアの澎湃が、NHKの「紅白歌合戦」を論評する記事を発表した。韓流が勢いづく一方で、演歌は後退しているなどと紹介した。

中国メディアの澎湃は1日付で、12月31日に放送されたNHKの「紅白歌合戦」を論評する記事を発表した。韓流が勢いづく一方で、演歌は後退しているなどと紹介し、歌手の世代交代が進んでいるが、出場を重ねているベテラン歌手もいるなどとも論じた。以下は、その主要部分だ。

紅白歌合戦は今回が73回目だった。このところ視聴率が低下しているのは事実で、主催者のNHKが打ち出した対策の一つが「スター効果」の利用だ。例えば、milet(ミレイ)さんの「Fly High」だ。この歌の歌唱と、フィギュアスケートの羽生結弦選手の競技会での演技の映像を重ねたことは、まさに人々を驚かせる“神演出”だった。

また、出場歌手の入れ替えを進めているのも、視聴率対策の一環だ。紅白の出場を続けることは容易でない。毎回ほぼ10組前後の歌手が初出場だ。Amir(エメ)さんは、大ヒットしたテレビアニメ鬼滅の刃 遊郭編」のオープニングテーマ曲の「残響散歌」で紅白初舞台を飾った。男性グループのBE:FIRSTはデビューして1年余りでの紅白出場だった。ただしBE:FIRSTには“財産”がある。動画公式チャンネルの視聴累計回数は3億回を超えているのだ。

さらに、アニメ「ONE PIECE」の歌姫・ウタまでもが初出場した。バーチャル歌手が紅白に登場するのは初めてだった。いつの日か、紅白歌合戦に初音ミクが出場するかもしれない。

ただし、さらに注目を集めたのは、紅白の舞台上の「韓流」だったろう。今回は初出場者だけでも3組が韓国関連だった。JO1は、韓国の人気オーディション番組「PRODUCE 101」の日本版である「PRODUCE 101 JAPAN」の合格者11人で結成されたボーイズグループであり、所属事務所は日韓合弁会社だ。LE SSERAFIM(ル セラフィム)とIVE(アイヴ)は韓国のグループだ。それ以外に、すでに出場経験がある韓国系の出場者も多かった。NHKも主催者として、Kポップの影響力を直視せざるを得ないわけだ。

その一方で、演歌はますます振るわない状況だ。氷川きよしさんは紅組・白組の枠を離れて特別扱いで出場した。選んだ歌は、演歌のにおいを感じさせなかった。歌手の三山ひろしさんは、紅白の舞台で持ち歌の「夢追い人」に乗せて、けん玉のギネス世界記録に挑戦した。三山さんが紅白の舞台で「けん玉ギネス」に挑戦するのは、なんと6回目で、成功はしたが、疲れてしまっているようにも見えた。思えば、20世紀初頭の紅白歌合戦では、歌の半分程度が演歌系だった。

桑田佳祐さんや玉置浩二さんとそのバンドは、紅白に何度も出演しているベテラン歌手だ。今回はいずれも特別企画として出場した。彼らの歌声は観客に、日本の音楽界やエンタメ界の黄金時代を思い出させた。

石川さゆりさんは、紅白歌合戦の「常緑樹」とも言える存在だ。今回の出場は45回目だった。同じく紅白歌合戦に出場した1995年生まれのあいみょんさんのような歌手は、石川さゆりさんの登場する紅白歌合戦を見ながら育ったと言っても過言ではない。

石川さゆりさんが歌った「天城越え」は、歌手にとって難曲だ。年齢上の問題もあり、今回の紅白での歌唱は力不足に終わってしまった面も見られた。しかし多くの視聴者は、石川さんが紅白歌合戦で繰り返し歌ってきた「天城越え」の中の「あなたと越えたい天城越え」のおなじみの文句を聞けば、満足するのではないだろうか。

耳になじんだ歌手や曲目が登場することは、紅白歌合戦にまた違った意味を与えている。すなわち、毎年年末に予定通り開催されていること自体が、生活がいつも通りに続くことを観客にアピールするかのようだ。かつての紅白歌合戦は本来「合戦」の名でも分かるように、「勝負」の側面が強かった。しかし「勝負」の色合いはすでに薄れ、紅白歌合戦は日本社会にとって、新年を祝う象徴として営まれている。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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