コロナ「無自覚低酸素」警告、酸素吸入器を「それっ!」と購入たちまち売り切れ―中国

Record China    2022年12月26日(月) 19時50分

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中国では専門家が新型コロナウイルスに感染した場合の「無自覚の低酸素状態」を警告したところ、酸素吸入器を購入する人が続出し、主たる電子商取引サイトでは該当する商品がたちまち欠品状態になった。

中国では特定の物品や商品を求めようと人々が「それっ!」とばかりに殺到して、商品などがたちまち払底する現象が、しばしば発生する。復旦大学付属華山病院感染科主任で国家伝染病医学センター主任でもある張文宏(ジャン・ウェンホン)氏が22日の講演で、高齢者が新型コロナウイルス感染した場合、「無自覚の低酸素状態」になることに警戒すべきだと述べると、酸素吸入器を購入する人が続出し、23日には主たる電子商取引(EC)サイトで該当する商品が、ほとんど欠品状態になった。

張氏は、「例えば90代の寝たきり状態の高齢者の場合、低酸素状態になっていることの発見がきわめて遅れることがある。特に家が子供の世話に忙しかった場合などだ」、「低酸素状態になって短期間内に治療を受けられなかった場合、患者は重度の肺炎になりやすい」と述べた。

中日友好病院副院長で国家呼吸医学センター副主任の曹彬(ツァオ・ビン)氏は、「脆弱(ぜいじゃく)な人には発症の初期に抗ウイルス薬による治療を行うべきだ。また、血液酸素計を指差して重症モニタリングを行う準備をすべきだ」と提案した。さらに、高齢者の場合には深刻な低酸素状態であっても目立った息苦しさや呼吸困難がないことがあるとして、「これは非常に危険な状態だ。すぐに酸素吸入をする必要がある」と述べた。

23日になると、京東(ジンドン)や淘宝(タオバオ)などの主要なECプラットフォームで、酸素吸入器の購入が相次いだ。淘宝のあるショップでは同日午前11時に酸素吸入器の販売を開始したが、3時間後は購入不能になった。酸素吸入器の販売が始まっても、短時間で売り切れになるケースが続出した。

「無自覚の低酸素症」が注目される前に、酸素吸入器を購入した人もいる。山西省住民のZさんは「私の家には高齢者が2人います。うち1人は深刻な心血管疾患を持っています。高齢者に感染のピークを無事に乗り切ってもらうため、21日に京東で、3リットルの酸素吸入器を2690元(約5万1000円)で注文して購入しました」と語った。

ただし専門家は、「素人」が酸素吸入器を使うことは危険と指摘する。首都医科大学付属北京佑安医院感染総合科の李侗(リー・トン)主任医師は、酸素吸入器の「購入騒動」が発生する以前に、「酸素吸入器は主に慢性呼吸器疾患の患者が使用するもので、家族が健康な一般的な家庭ならば、備えて置く必要はない」と述べたことがある。

李主任医師は「息苦しさ、息切れ、呼吸困難、その他の低酸素血症の症状が出た場合、早急に病院で診察を受けるべきだ。家で自分で酸素吸入器を使うべきではない。酸素吸入濃度が高すぎたり、時間が長すぎたりすると酸素中毒を招きやすいので危険だ」と説明した。(翻訳・編集/如月隼人


※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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