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鉄道から眺める中国の過去と現在、垣間見える昔ながらの中国人気質

配信日時:2014年7月6日(日) 14時16分
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北京・天津間は高速鉄道で54.5元、「緑皮車」でわずか8.5元。高速鉄道は最高時速約290kmで北京から天津を30分強で走る。「緑皮車」には冷房がなく、天井にはレトロな扇風機が回っていた。
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北京の近くにある大都市と言えば、天津。東京と横浜の距離が30kmほどなのに対して、北京と天津の距離は120kmほど。やはり中国は広大だ。

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この二つの都市を結ぶ交通機関には、高速道路、鉄道、バスなどがあるが、目下、最高時速約290km、30分強でつなぐ高速鉄道がなんといってもその速さで重宝されている。しかし当然、この区間には在来線の普通列車も走っており、時間はかかるものの、安くてひそかな人気がある。またこの在来線には、かつての中国国鉄を代表する深緑色に塗装を施された「緑皮車」と呼ばれる車両が使用され、20〜30年前の中国にタイムスリップしたような感覚が味わえる。実際、北京・天津区間を高速鉄道と在来線「緑皮車」に乗って小さな旅を楽しんでみた。

出発地は北京。9時20分に北京南駅に到着したものの、テロ対策のセキュリティ検査がとても厳しく、切符を購入する長い行列も影響し、購入できたのは、10時発の切符だった。天津までの切符は、54.5元(約930円)だった。

北京・天津間の高速鉄道は1日約80本と運転本数も多い。旧正月などの繁忙期を除き、高速鉄道は立ち席を販売していないため、乗車してみると、車内は空いていて快適だった。車内販売もあり、コーヒーや軽食などが売られている。

出発して20分ほどすると、時速293 kmの速度が表示された。速いことがちょっと心配になったりしたが、他の乗客たちは、携帯をいじったり、雑談したり、眠ったりと、様々な様子でくつろいだ様子で、こうして天津までの30分間はあっという間に過ぎてしまった。

翌日の早朝、今度は天津から北京行きの在来線に乗車した。乗車料金は高速鉄道の6分の1以下のわずか8.5元(約145円)だった。

早朝のせいかもしれないが、天津から出発したばかりのときは、乗車人数が非常に少なく、多い車輛でも十数人ほど、誰も乗っていない車輛もあった。人が少ないので座席をベッドにして寝ている人もいた。しかし北京に近くなるにつれて、途中駅で多くの乗客が乗車し、満席になることもあった。

4両編成の車内には見るからに硬そうな深緑色の座席が並び、車内販売や冷房などは一切ない。大きなやかんでお湯が提供され、足元には冬用の暖房、天井には骨董品といってもいいほどの扇風機が回っている。

乗客は時間に余裕がある年配者や若者が多いようで、ゆったりとしたときの流れの中で、隣り合わせた乗客同士で世間話などをしている。昔ながらの人懐っこい中国人気質を垣間見た気がした。隣に座った年配の男性に話をきくと、この車輛は北京まで安いし、座れるし、時間はかかるがそれなりに便利で、よく利用すると話していた。

時速60kmで走り、所要時間は4時間12分ということだったが、他の列車の待ち合わせなどで結局天津から北京まで5時間10分もかかった。

これからどんどん便利になっていく高速鉄道に対して、今現在、各地で引退が続く「緑皮車」。しばらく経てば、この区間でも「緑皮車」がなくなっているのかもしれない。高速鉄道の便利さに比べると、さすがに「緑皮車」の長い乗車時間には辟易したが、高速鉄道の現代から、「緑皮車」で20〜30年前へタイムスリップした旅は一風違う味わいがあった。

※本記事は中国・日本のリサーチ、コーディネーション〜(株)ナンバーワンズの特別提供。ナンバーワンズは様々な番組に対応した中国に関するリサーチやロケコーディネーションを行っている。

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