2022年12月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトによると、英国の企業が中国の新型コロナ感染状況について、1日に100万人を超える感染者が発生している可能性があるとの試算を発表した。

記事は、英国の健康情報分析会社エアフィニティが21日、現在中国では1日に100万人以上が新たに新型コロナに感染しており、毎日5000人以上が新型コロナにより死亡している可能性があるとのデータモデルを発表したと紹介。中国当局の発表では過去1週間の新規感染者数が1万8000人、死者がわずか7人となっていることから、エアフィニティが自社の分析データについて「公式データと鮮烈なコントラストをなした」と評したことを伝えた。

また、国家衛生健康委員会が22日に発表したデータでも、過去1日以内に中国本土で確認された症状を伴う感染者数が2988人と少なく死者もゼロだったことを挙げ、「大規模なPCR検査を取り止めて以降、大量の感染者が公的な統計データに入らなくなった」と指摘するとともに、中国の疾病コントロール関係者も先日、新型コロナによる呼吸器不全のみを死者数として算入する方針に転換したと紹介している。

その上で、世界保健機関（WHO）の緊急事態対応責任者であるマイク・ライアン氏が中国当局の発表について「新型コロナに関連する本当の死亡者数を非常に低く見積もることになる」と指摘し、テドロス事務局長も「全面的なリスク評価を行うために、特に病院や重症病棟の収容状況に関するリアルタイムな情報をはじめとする、中国の新型コロナについてのより多くの情報が必要だ」と述べたことを伝えた。

記事はさらに、エアフィニティの予測として、北京市や広東省を中心に発生している現在の感染拡大のピークが来年1月ごろとなり、1日の新規感染者が370万人に達するほか、来年3月には第2のピークが到来して感染が全国に拡散、1日の感染者が420万人に上る可能性があり、死者数が130〜210万人に達する恐れがあると紹介。死者数についてはワシントン大学の保健指標評価研究所（IHME）も23年までに100万人に達すると予測し、香港大学の研究チームも今月から来月にかけて大規模なワクチン接種を実施しなかった場合、死者数が96万4400人に達するという論文を発表したと伝えた。（翻訳・編集/川尻）